■内容は上出来の『DOCTOR PRICE』
初回は、金成(岩田)が現在に至るまでの経緯や、各キャラの設定など、説明的な描写が多めだったが、テンポよく描かれており、分かりやすく、エンタメ作品としてよい出来だった。岩田は胸中に何かを隠しているイケメン役は安定感あり、事務スタッフながらも潜入捜査まで行なうバディ役の蒔田彩珠の存在も、いいアクセントになっていた。
また、金成の標的となる極東大学病院側も、怪しいキャラでおなじみのユースケ・サンタマリア(53)など、手堅い俳優が揃っている。北山宏光が演じる依岡は原作にないオリジナルキャラで、金成の協力者としてキーマンになりそう。総じて物語のノイズになるような要素は見当たらず、エンタメ作品として十分に期待できる。
唯一、気になるのは放送枠だ。午後8時の大河ドラマ、午後9時の日曜劇場の後であり、翌日に仕事があることを考えると、日曜の午後10時30分からの放送というのは、リアルタイムで楽しむには微妙な時間で、視聴率的に不利。そのため同枠ドラマは、25年1月期『ホットスポット』ぐらいの話題性があれば別だが、それ以外は24年10月期『若草物語』、同25年4月『ダメマネ!』と連敗が続いている。
第2話は、金成をライバル視する転職エージェント会社「メディエイト・マネジメント」の社長・石上道徳(三浦貴大/39)が、夜長(蒔田)に金成の過去を暴露したり、極東大学病院の院長・天童(篠原涼子/51)が依岡(北山)に金成を探るように指示したり、早くも「Dr.コネクション」がピンチを迎えるようだ。
今後も視聴者の支持をつなぎ続けることができるか気になるところだが、良作だけに『ホットスポット』のような注目を集めてほしい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。