連日気温は30度を優に超え、気をつけないと熱中症になる猛暑の季節が本番を迎えている。
そんな中、水分補給には細心の注意を払いたいところだが、たくさん汗をかいた後に何を飲めばよいのか迷った経験はないだろうか? 販売されているペットボトル飲料は、種類も多く目移りしてしまいがちでもある。
「全国清涼飲料連合会の2024年統計では、酒や乳製品を除く『清涼飲料水』だけでも商品数は6400品を超えています。夏場は出先でペットボトル飲料を購入する機会も増えますし、熱中症対策に最適な飲料や、その最適な飲み方を知っておきたいところです」(生活情報誌ライター)
そこで、本サイトでは、管理栄養士の望月理恵子氏に、真夏に飲むべきオススメのペットボトル飲料を聞いてみた。
「熱中症対策では糖分や塩分のない水分がオススメですね。飲み方としては、2〜3時間おきに200mlほどを飲む習慣をつけると良いでしょう。
具体的には、もちろん水が一番。ですが、麦茶、コーン茶、ルイボスティー、ハーブティー、黒豆茶などカフェインの含まれないお茶も効果があります」(望月氏=以下同)
なぜカフェインの含まれないお茶なのか。実はカフェインには利尿作用があるため、水分不足から発症する熱中症の対策には推薦できないのだそうだ。つまり、緑茶や紅茶、コーヒーは、熱中症予防にはあまり向いていない。
また、大量に汗をかいたときにはスポーツドリンクが効果的とよく言われるが、望月氏もこれに賛同。その理由を、こう説明する。
「塩分や糖分を含むスポーツドリンクは、浸透圧が体液と同じになるように調整されている『アイソトニック飲料』と呼ばれます。体内に吸収されやすいので、熱中症になりかけているときにも早めに飲んでほしいですね」
対して、スポーツドリンクと似て非なる経口補水液は、普段の水分補給にはNGなのだそう。なぜか――。
「経口補水液には、ナトリウムやカリウムなどの電解質がアイソトニック飲料よりも多く含まれています。これは脱水症状になって水分と一緒に出て行ってしまった電解質を急速に補うため。なので、熱中症対策にと日常的に飲んでいると、電解質を過剰に摂取することになり、腎臓病や高血圧の症状を助長する恐れもあるんです」
経口補水液は、あくまで脱水症状になった際に摂取する飲み物なのだそうだ。