芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和の“あの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。

「プロレスをよく知らない人との橋渡しをしてください」

 アントニオ猪木さんからこう言葉をかけられたのが、

『ギブUPまで待てない!! ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)、私が、この新番組の司会をしたときのことです。

 試合中継だけではなく、バラエティのコーナーも入れた斬新なプロレス番組でした。番組を始めるにあたって、テレホンカードの撮影で、実際に猪木さんから、スリーパーホールドをかけられているポーズをしてもらった数分間は、とても嬉しかったです。

 ただ、番組が始まると既存のプロレスファンからは反感を買いました。早すぎたんでしょうね。今はプロレス会場に若い女性の方もたくさんいるけど、当時は海千山千の男性ファンばかり。番組に出ている私や男性アイドルに、「何も知らない素人が!」と嫌悪感があったんじゃないかしら。

 極めつきは馳(浩)さんとの一件でしょう。私が「血は、すぐに止まるんですか?」と聞いたら、「つまんないこと聞くなよ! 止まるわけないだろ!!」と怒鳴られてしまったんです。