■『あんぱん』視聴率ダウンの明確な理由

『あんぱん』の世帯視聴率は15~16%台を推移していたが、第14週(6月30日~7月4日)では3日連続で17%台を記録するなど右肩上がりになってきていた。

 しかし第16週では、7月16日放送回が14.8%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)で6月2日放送回以来の14%台となってしまったのだ。

「7月16日放送回は、番組最高記録である17.8%を叩き出した7月2日放送回と同じ水曜日でしたね。つまり最大で3%も数字を落としてしまったと。

 視聴率不振の原因としては、山場である“戦争編”が終わったことによる中だるみを指摘する声もあります。しかし、それ以上に明確な視聴者低下の理由として、参議院選挙の政見放送が大きな原因と言われていますね」(前出の女性誌編集者)

 通常、『あんぱん』の放送前には、『NHKニュース おはよう日本』が朝8時まで放送される。しかし、7月8日から17日までは、同月20日投開票の参議院選挙のために7時30分から政見放送が流れ、そこから『あんぱん』が放送される編成になっていたのだ。

「『おはよう日本』は世帯8%台の一方で、政見放送は視聴率は3%台。『おはよう日本』からの流れで朝ドラを見ている視聴者は多いため、選挙期間中はその視聴層が朝ドラを見なくなってしまったのではないか、それによって『あんぱん』の視聴率が落ちてしまったのでは、と見られています。《朝ドラ楽しみなのだけれど、ここ最近直前に政見放送が流れて結構キツくて》という声が、SNSにも寄せられていましたね」(前同)

 第17週からは、そんな“強敵”である政見放送も終わり、『あんぱん』も勢いを取り戻すと見られるが――、

「多くの視聴者が期待しているのは、嵩(北村)が今度こそのぶ(今田)にプロポーズできるのか、という部分ですよね。幼少期から弱虫として描かれ、現在まで何度も“たっすいがー(土佐弁で『弱虫』)”と周囲の人に怒られてきた嵩が、紆余曲折を経てついに告白を成し遂げるのでは、とは見られていますが……」(同)