■『誘拐の日』考察は盛り上がっているが……
X上では、《凛ちゃんのペンダント、何かの鍵になるアイテムかな》《永尾柚乃ちゃんは親の研究実験で特殊な能力が備わった人に?》《山崎、イカれた副理事長に仕えてるのも不思議だけど、あの若さで大病院の顧問弁護士兼秘書やってるのも気になるんだよなあ。七瀬家について色々知ってるみたいだし》など、考察の声が寄せられている。
考察は盛り上がっているが、視聴率はダウン。配信での人気の指標のひとつとして見られる、TVerのお気に入り登録数も始まったばかりなので判断しにくいが、53.8万(7月19日午前11時現在)と、大人気というわけではない。視聴者に熱があるわりに、数字がついてきていないのだ。
実際、見ていても、ストーリーに没入しきれないのが、筆者の個人的な印象だ。凛(永尾)の天才少女ぶりも、政宗(斎藤)のマヌケなおじさんぶりも、ちょっと表現が過剰に感じられ、リアリティに欠けるのだ。
また、韓国で2023年に放送された連続ドラマのリメイクなので、韓ドラっぽさを感じてしまうことも。エンタメとしては正解なのかもしれないが、日本のミステリードラマに慣れた身からすると、それがノイズに感じられるのだ。視聴率と配信の数字が今ひとつなのは、そんなところに原因があるのかもしれない。
多くの視聴者も考察しているが、凛の正体については、人体実験をされていたというのでほぼ確定。今後は、周囲の大人たちの正体がだんだん明かされ、より考察を煽る展開になるだろう。そのときに韓ドラっぽい過剰演出がいい方向に働くか、悪に方向に働くか、今後の盛り上がりの鍵になるだろう。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。