「7月20日の参議院選挙を巡って、多くのタレント、キャスター、アナウンサーの発言が話題になりましたが、特に『報道特集』(TBS系)のメインキャスター・山本恵里伽アナウンサー(31)の発言はいまだに話題になっていますよね」(民放キー局報道局ディレクター)
7月12日、参院選で躍進を果たした参政党を批判するような番組内容および山本アナの発言が物議を醸したTBSの報道ドキュメンタリー番組『報道特集』。同月26日には「参政党の”メディア排除”を問う」との内容を放送することが告知され、さらなる波紋を広げている――。
『報道特集』と山本アナを巡っては7月12日、同月20日が投票日の参議院選挙に候補者を擁立していた参政党を名指しで批判するような内容を放送。特集の締めに山本アナは、同党が掲げる外国人政策によって、職場や学校など身近な外国人の暮らしを脅かすかもしれないことなどに触れて、「排外的な、差別的な言葉がSNSで拡散していく」「これまで以上に想像力を持って投票しなければいけないと感じています」などと意見を述べた。
放送を受けてSNSは大荒れに。《TBSが正しい。参政党は炎上商法。論外》といった擁護する声、《メディアの者のこんな物言い、世論誘導だと思うよ》といった批判の声で喧々諤々となったのだ。
そして、参政党は13日にTBSに対して「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く内容」だと厳重抗議し、BPO(放送倫理・番組向上機構)に訂正等を求める申入書を提出したことを発表した。
参政党の主張に対して『報道特集』の公式サイトでは、特集の趣旨を詳細に説明したうえで、《この報道には、有権者に判断材料を示すという高い公共性、公益性があると考えております》と回答している。
その参政党は参院選で躍進。14議席獲得し、選挙後も良くも悪くも注目の的となっている。
渦中にいる山本アナへの批判意見には、
《アナウンサーは司会やニュースの朗読のみで、私見を公共電波で流すものではない》
《局アナが言っちゃったというのが問題なんよね》
《キャスターでもフリーアナでもない、会社の看板を背負った局アナは中立で淡々と物事を伝えるのが義務》
などの声が多くあるが――前出の民放キー局報道局ディレクターは言う。
「まず前提として、フリーか局アナかは関係なく、報道番組で番組キャスターが、勝手に自由な発言することは、基本的にありえないです。ましてや、選挙を一週間後に控えている時期に特定の政党に関する話をすれば、有権者の票に大きな影響を与えてしまうのが目に見えている。
ですので、少なくとも番組プロデューサーは山本アナが何を言うか、大体は把握していたはずです。山本アナのあの発言は、勝手に語ったものではないと思われます」
山本アナはプロデューサーほか制作陣と入念な打ち合わせをしており、発言内容に関してもすり合わせがあったという見方だ。
「『報道特集』での山本アナの発言は“局アナとしてどうなのか”と批判されてはいますが、彼女の発言は、少なくとも番組サイドが了承したうえの主張だと考えられるんですよね。台本まで用意されていたかは分かりませんが、それが報道番組制作における常識なんですよ」(前同)