現在は夏ドラマが放送中だが、テレビ各局では次クールの10月期ドラマに向けての準備が着々と進んでいる。

 何かと話題の多いフジテレビでも、沢口靖子(60)が月9ドラマに主演すると報じられたり、草なぎ剛(51)主演の『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』(カンテレ制作、月曜夜10時~)が正式発表されたりと動きがあるが――制作会社関係者は言う。

「フジテレビのドラマを巡っては、“中居氏・フジテレビ問題”が勃発後、同局の一部の連ドラではスポンサー離れの影響で、1話分の尺が長くなっていたんです。それが10月期から、元の尺に戻ると言われていますね」

 元タレントの中居正広氏(52)と同局の元女性アナウンサーとの間で起きたトラブルに端を発した一連の“中居氏・フジテレビ問題”。同トラブルは24年末から報じられ、当時社長だった港浩一氏(73)は1月17日に会見を開いた。

 ところが、その会見は中継ナシ、記者クラブ加盟メディアしか入れないという極めて閉鎖的なものだったこと、内容も疑惑に関する明言を避けるかのような発言ばかりだったため、世間からは批判の声が殺到。同タイミングで、多数のスポンサー企業がフジテレビから撤退したことで知られる。

「“中居氏・フジテレビ問題”はその後、さらに大きな問題になっていったわけですが……スポンサー企業がフジへのCM出稿を差し止めるようになってから、フジテレビでは自局の番組や、制作に携わっている映画や舞台のCM、そしてACジャパンの広告で尺を埋めるようになっていきましたよね」(前同)

 通常、連続ドラマの1話分の尺は45~46分。そこにCMも放送する必要があるため、フジテレビの主力ドラマ枠の放送時間は、基本的に54分となっている。枠の約10分ほどが、CMに費やされているのだ。

「しかし、自社のコンテンツもそうですがACのCMも、無理に流す必要はないといいます。そのため、CMスポンサーが撤退したことで“余った”尺を、ドラマ本編に活用していたというんです。ドラマ部分をなるべく長くしたい、いろいろと要素を詰め込みたいという制作サイドの意図を尊重した、ということですよね。

 事実、“撤退ドミノ”の真っ只中に『木曜劇場』枠(夜10時~)で放送されていた、香取慎吾さん(48)主演の1月期ドラマ『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』は、スポンサーがTCB(東京中央美容外科)のみになった時期からACの広告も放送しなくなり、ドラマ本編が長くなっていたんです」(同)