■大人気を博した『めおと日和』もドラマ本編が長かった
当初、香取主演の『日本一の最低男』の本編の尺の長さは46分弱だった。しかし、第6話(2月13日)以降は本編の尺が延長。以降、本編の長さは最終回(3月20日)まで47、8分ほどだった。
また、同枠で4月期に放送された芳根京子(28)主演の『波うららかに、めおと日和』は、全話ACジャパンのCMこそ流れていたが、第2話(5月1日)や第8話(6月12日)の尺が47分ほどで、やはり平時よりも長尺の回があった。
「そうした連続ドラに変化があったフジテレビでしたが、現在は徐々にスポンサーが戻りつつあり、企業CMも流れるようになってきていますよね」(前出の制作会社関係者)
4月3日に総務省からの行政指導を受けたフジテレビは同30日に同省へ再発・防止に向けた改革施策を報告。
6月5日には、港元社長と大多亮元専務に対して法的責任を追及することを決定し、訴訟の準備に入ったことを発表。元編成制作局長を減俸50%処分、当時の人事局長を戒告とするなど、あわせて5人の処分も発表された。
また、6月25日には、親会社フジ・メディア・ホールディングスの定時株主総会が開催され、会社側提案の取締役候補11名全員が、80%超の賛成率で取締役に選任することになった。
こういった動きを受けて、同月27日にはサントリーホールディングスと大和ハウス工業――大手2社が、これまで差し止めていたフジテレビへのCM出稿を7月から再開すると決定。サントリーは「改革プランは一定の評価ができるもので、それを実行する新体制を確認できた」と複数メディアにコメント。6月30日には、ロッテもCM再開の意向を発表した。
「トヨタ自動車、NTTドコモ、花王といった大企業もCM出稿を再開、または再開すると発表しています。いまだにフジテレビに厳しい目を向ける企業も少なくはないですが、スポンサー企業は戻りつつある。それにより、10月期からは連続ドラマの尺が、どの枠も完全に元通りの長さになるといいます。
それに向けて、いくつかのドラマでは本来の尺に合わせるべく、長く作ってしまった台本の修正が行なわれていると聞こえていますね」(前同)
本サイトはフジテレビに、スポンサー離れの影響でドラマ本編の尺を伸ばしていたこと、10月期からそれを戻すにあたって台本の調整を行なっている作品があることについて問い合わせたところ、「制作の詳細についてはお答えしておりません」ということだった。
テレビ界、芸能界、広告業界――多方面を揺るがす大騒動を引き起こした“中居氏・フジテレビ問題”だったが、思わぬところにも余波があったようだ。