芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和のあの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。

 横山やすしさんと桂文珍さんと私で『スター爆笑Q&A』の司会をしていた頃、鶴ちゃん(片岡鶴太郎)がゲストに来たことがありました。当時、西川きよしさんが選挙に出て、荒れていたやすしさんは、鶴ちゃんを紹介するフリップを床に叩きつけて、「なんや、これ!」と足で踏みつけます。

「師匠は厳しいなぁ」

 鶴ちゃんも、こう苦笑いするしかありません。そうこうしていると、ゲストが登場する際の扉から突然、女性マネージャーが現れて、やすしさんの首根っこを掴むと、スタジオの裏に連行。舞台裏からは「いいかげんにして!」と女性の怒号が聞こえて、その後、バチンッ! 大きな音が鳴り響きました。

 スタジオに戻ってきたやすしさんを見ると、メガネはズレて、頬は赤く腫れていました。

「ワシは今、マネージャーに怒られました。皆さん、どう思いますか?」

 出てくるなり、こう訴えるやすしさん。

「痛かったですか?」

 私が聞いたら、「黙っとけ!」と怒鳴られました。

 結局、やすしさんは番組を降りて。その日の収録から、文珍さんと私で司会をすることになったの。令和じゃ考えられませんね。