日本各地で、クマによる人的被害が拡大している。

「市街地での出没が多く報告され、7月4日には岩手県、12日には北海道で死亡事故が発生しています。

 宮城県でも、女子ゴルフツアーの会場周辺でクマが目撃されたために、競技が一部中止に。今年はクマのエサとなるブナの実が凶作で、今後も注意が必要です」(全国紙社会部記者)

 日本国内に生息するクマは、ヒグマとツキノワグマの2種類。動物研究家のパンク町田氏は、その違いについて話す。

「北海道に生息するのはヒグマ。大きい個体だと体長3メートル、体重は500キロほどにもなります。牛馬を襲って食べるほどで、人間も獲物と捉えている可能性は否めません。一方、本州にいるのはツキノワグマで、体長は1.2メートル程度、体重は40キロを下回ります」

 といっても、人間が戦ってかなう相手ではない。

「ツキノワグマが人を襲うのは、主に恐怖を感じたとき。特に夏場は、森にエサが少なく、街の生ゴミを狙う個体が現れるので、人間との思わぬ遭遇が増えています」(前同)

 もし、彼らに出くわしてしてしまったら……。思わず大声を上げて逃げ出したくなるところだが、その行為は、むしろ逆効果。

「大きな音はクマをパニックにするので絶対にダメ。また、クマは動くものに敏感なので、いきなり動かないこと。目を合わせず静止するか、背中を向けずに後退して距離を取りましょう。もし目が合っても、逸らしてはいけません」(同)