ドラマは俳優、脚本、演出が、それぞれの力を発揮して成立する。今年前半のドラマで残念ながらそのバランスが崩壊していたのが、1月期の『アンサンブル』(日本テレビ系)だろう。最旬俳優の川口春奈(30)とSixTONES松村北斗(30)を揃えるなどキャストは好評だったが、ストーリーは破綻していた。

 同ドラマは、現実主義の弁護士・小山瀬奈(川口)と、理想主義の新人弁護士・真戸原優(松村)が、さまざまな恋愛トラブル裁判に挑んでいくリーガルラブストーリー。全話平均視聴率は5.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と厳しかったが、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は88万を超えて好調だった。

 しかし、瀬奈、真戸原、瀬奈の元恋人・宇井(田中圭/41)という、主要人物の胸の内が描かれないまま物語が進んでいくため、X上では、《瀬奈、いつの間に真戸原をそんな好きになった?》《宇井さんって「ちゃんと説明したい」しか言わせてもらえないの?》などと、第3話から早くもツッコミの声が殺到していた。

 しかし、川口と松村のキュンシーンの美しさだけは好評で、《ベタなセリフや仕草でも、川口春奈と松村北斗が演じるとキュンになるのがすごい》《ほんと意味わからな過ぎるけど松村北斗の胸キュンシーンを見るためだけに見てる》などの声が。松村のファンにとっては、細かいストーリーはふっとばして松村を楽しめるため、ある意味でタイパが良かったようだ。