日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が現代のトレンドを徹底解説。今回は密かに激減しているあの業種について深層レポート!
かつては放課後の定番だった「ゲームセンター」。“仲間と熱くなれた空間”“ひとりで気晴らしに立ち寄れる遊び場”でしたが、ある日ふと通りかかるとシャッターが下りたままになっている――そんな光景が各地で目立つようになりました。
昨年発表された帝国データバンクの数字でもその実感は裏付けられています。ゲームセンターの倒産数は過去5年で最多。しかもこの10年で約8000店減少し、直近5年間だけでも約3割が姿を消しています。
倒産が相次いだのはゲームセンターだけではありませんが、単なる不況では片付けられない構造的変化が起きていると感じます。
ゲームセンターの始まりは1978年で、ブームの火付け役は「スペースインベーダー」です。それまではアナログ遊戯機械やメダルゲームが中心で、子ども向けの延長線上にありましたが、インベーダーは大人も熱中させる“新しい娯楽”として広がりました。当時は100円玉が不足し、日本銀行が増産を検討した逸話もある社会現象に。
その後、セガやナムコが登場し、大型筐体や体感ゲームで進化。1980年代後半には移動式の筐体や立体的な操作感を備えたマシンが次々登場し、アトラクション施設のような存在になりました。