冬ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)に続き、芳根京子(28)が2期連続で主演した春ドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)は、2025年前半期で最大の話題作となった。その理由を探っていこう。

 同ドラマは、漫画アプリ「コミックDAYS」で連載中の西香はちの同名コミック(講談社)が原作。恋愛経験がない江端なつ美(芳根)と、帝国海軍の中尉・江端瀧昌(本田響矢/25)の、交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。

 全話平均視聴率が5.8%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)、配信サービス・TVerのお気に入り登録数の最高値が116.1万(6月27日)と好成績。また、メインキャスト5人が演じるキャラクターのアクリルスタンドが発売されると、即日完売する店舗が続出するなど、社会現象的なヒットを呼んだ。

 X上でも、《なつ美の素朴で純粋な雰囲気が芳根京子にピッタリ。口数が少なく生真面目な瀧昌の本田響矢もイイ男だ。二人のじれったい空気感が、本当にキュンキュンするわ》《胸キュンもあり、切なさもあり、温かさもあって、本当に今ハマってるドラマ》など、多くの称賛の声が寄せられていた。

 最近のドラマはハイブリッド化していて、恋愛ものの場合、ミステリーを絡ませることが多い。本作は、うまい具合にそんなトレンドの逆をいき、なつ美と瀧昌のじれったい関係性を堪能できる、ムズキュンに振り切った潔い作り。内容は、大きな事件が起きることもなく、穏やかな日常が描かれていた。