今田美桜(28)が主人公を演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』の第96話が8月11日に放送される。同ドラマは豪華な出演陣に加え、クオリティの高いシナリオから人気を博しているが、先週の8月6日放送回(第19週)ではまさかの“5年飛ばし”が発生し、視聴者からは不満の声も出てしまった――。
『あんぱん』は国民的キャラクター「アンパンマン」の産みの親である漫画家・やなせたかしさんと小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻がモチーフ。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村匠海(27)がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じている。
8月5日放送回では、のぶの妹で朝田家の末っ子・メイコ(原菜乃華/21)が、長年片思いしていた嵩の親友・健太郎(高橋文哉/24)と結婚するまでが描かれたが、結婚式などの描写はナレーションの説明のみ。
翌6日放送回の冒頭では、嵩(北村)がのぶ(今田)に、漫画に集中するために会社を辞めても良いか相談をして、のぶが背中を押した場面から「希望に燃える2人でした。そして5年後ーー嵩は相変わらず三ツ星百貨店に勤めていました」と、一気に物語が1948年(昭和23年)から1953年(昭和28年)まで飛ばされたのだ。
あまりの急展開に視聴者から、
《今日のあんぱん。急に5年が経つ。最近はあまり急展開にちょっと雑さを感じてしまう》
《昨日朝ドラあんぱん見れなくて、今日見たら、健ちゃんとメイコが結婚してて、朝たかしとノブが仕事行って帰って来たら5年も月日が経ってて、ジェットコースター並みの話の展開だった》
《朝ドラ「あんぱん」にちょっとガッカリしました。妻の「のぶ」が主人公である事は頭では理解してるけど、やなせたかしの成り上がりを蔑ろにしちゃダメでしょ。そして5年後じゃねーんだわ》
といった厳しい声が多く寄せられることになった。
「第20週(8月11日~15日)でも、最低7年は時代が進むと見られています。それというのも、史実では1960年(昭和35年)初演のミュージカル『見上げてごらん夜の星を』に、嵩が携わるシーンが、同週の予告映像にあるんですよね。
先週に続いての“飛ばし”がありそうで、また“時間が飛び過ぎ”と感じる視聴者も出てくるかもしれません。ただ、『アンパンマン』誕生の歴史を考えると、これくらいのペースで時間を飛ばさなければ、尺が足りないという声もありますね」(テレビ誌編集者)
国民的ヒーロー・アンパンマンの原点は、青年誌『こどものえほん 1969年10月号』(PHP研究所)に掲載された短編作品『アンパンマン』。当時のアンパンマンのビジュアルは小太りのおじさんで、物語も“カッコいいヒーロー”へのアンチテーゼが込められた大人向けの作品だった。
その後、“顔があんぱんのヒーロー”が1973年(昭和48年)に子ども向け作品『あんぱんまん』(フレーベル館)として発表され、カタカナ表記に戻したうえでシリーズ化。1988年(昭和63年)にアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)が始まり、現在に至る。
朝ドラは9月末に終了するため、残された尺は2か月を切っている。そして、先週までの時点で『アンパンマン』誕生まで15年以上も残っているため、
《あと2か月で60年くらいの話を進めないといけないとなると(5年飛ばしは)仕方ないのかもしれない。なんか描き切れなかった部分はスピンオフで作ってくれないかな》
《冒頭でサクッと5年が経過し少々驚き。でも後々の展開と話数を考えると仕方ない気もするんだよね…》
といった“仕方ない”とする視聴者の声も多い。