■登場人物の恋路&再登場に注目する声も

 朝ドラ『あんぱん』の初回は、嵩(北村)が『あんぱんまん』の執筆作業に取り組む1972年(昭和47年)のシーンから始まっているため、《初回冒頭のシーンがラストシーンなんじゃないか》という声もある。

「また、『あんぱん』は一気に5年経過したことで、メイコ(原)と健太郎(高橋)が2児の親になるなど、登場人物たちも急速に年を重ねました。そして、まだ“活躍のその後”が描かれていないキャラクターもいるだけに、そういった“未解決”な部分がどう描かれるのかも気になるところですよね」(前出のテレビ誌編集者)

 たとえば、朝田家の三姉妹で、唯一の独身となった次女・蘭子(河合優実/24)。姉ののぶ(今田)は嵩と結ばれ、妹のメイコは瞬く間に結婚。そんななか彼女はこのまま独身で終わるのか――というところはありそうだ。

 蘭子は戦時中、家族同然の付き合いだった石工見習い・原豪(細田佳央太/23)と両想いに。出征前に結婚の約束もしたが、豪は1939年(昭和14年)に戦死し、帰らぬ人となった。

 蘭子は戦後も豪のことをずっと思い続けており、のぶと嵩の結婚パーティをした8月1日放送回では「一生分の恋をした。それが、うちの心の支え」と明言。生涯独身を匂わせるような発言をしているが、のぶもメイコも、蘭子が背中を押したことで結婚を叶えているため、《次は蘭子が幸せになって》《蘭子はどうなる》と応援の声は多い。

 また、第20週予告(8月11日~15日)では、嵩の理解者であり、良き人格者として視聴者から好かれている八木信之介(妻夫木聡/44)が初めて同じシーンに登場していたことから、

《八木さんがずっと出ているということは、蘭子と一緒になるような気がする》
《おや、八木さんと蘭子が出会っている》

 と、蘭子と八木の“進展”に期待する声も寄せられている。

「そして、多くの視聴者の間で注目されているのは、“ヤムおんちゃん”ことパン職人・屋村草吉(阿部サダヲ/55)の現在ですよね。8月7日放送回では、再登場への伏線とも取れる描写もありました」(前同)

 草吉はさすらいのパン職人として物語序盤から登場。長らく朝田家を支えてきたが、彼は過去のトラウマから戦争を嫌悪しており、国から乾パン作りを強いられた1940年(昭和15年)に、朝田家を去る。

 その後、1946年(昭和21年)が舞台の7月18日(第16週)で再登場。のぶの祖父・釜次(吉田鋼太郎/66)に会いたくて6年ぶりに朝田家に顔を出すも、釜次は直前に亡くなっていた。朝田家であんぱんを焼いた草吉は、また旅に――という物語が描かれた。

 以降、草吉の動向は不明だったが、8月7日放送回にて、1953年(昭和28年)に健太郎が“草吉らしき人物を新橋(東京)で見かけた”という目撃談を嵩とのぶに伝えたのだ。

《話の流れでは…ヤムおんちゃん復活みたいですね!》
《ヤムさん再登場あるの?またみんなでほっこりアンパン食べるシーンがあってもいいと思う。そろそろ》

 など、再登場に期待する声は多い。

 また、前述の初代アンパンマンの風貌から、《ヤムおんちゃんにも見えてくる》《初代アンパンマンのモデルだよねきっと》といった、『あんぱん』の劇中では草吉をモチーフに初代アンパンマンが生まれるのでは、といった意見もある。

「『アンパンマン』が生まれるまでには、まだかなり時間がかかります。その間に起きた、史実に基づいた出来事も描く必要があるでしょう。そのために展開が巻き気味なところはあるのでしょうが、『あんぱん』の脚本家は、大ベテランで実際にやなせさんと交流もあった中園ミホさんです。蘭子の今後、草吉の再登場などもしっかりと描いたうえで、きれいに着地させてくれるのではないでしょうか」(同)

『アンパンマン』の誕生は待ち遠しいが、魅力あふれる河合演じる蘭子の恋、そしてヤムおんちゃんの行方も気になるところだ――。