■存在感を増してきた高橋海人

 X上では、《ジウの相棒のルカが以前、「才木家に手を出すな」って言ってたけど、時間を止める異能力の結衣がキーパーソンな存在なのかな》《やはり小池徹平が1枚かんでいた!予告見てたら葛城課長もなんかある?気になることだらけだ》などと、今後の展開を予想する声が多い。

 才木結衣(蒼戸)と泉ルカ(久間田琳加/24)は、原作には登場しないドラマオリジナルのキャラ。視聴者の指摘にあるルカのセリフや、異能力の研究者・田所輝明(清水伸/53)が結衣を欲しがっている様子から、キーパーソンになりそうだ。あえて作ったオリジナルキャラなので、ヤマ場には必ず使うはず。ラストで予想される異能力対決に絡んでくるのかもしれない。

 また、結衣の兄である才木(高橋)も重要な動きをするはずだ。妻を失った陣内(中村)と、結衣を失うかもしれない才木。暴走を始めた陣内と、守るべきものがある才木。このように、2人が対称的な立場になったこともあって、バディとしての輪郭もはっきりしてきた。今後、才木が存在感を発揮しそうだ。

 今回、陣内が置き忘れたライターに触れ、香織(入山)が殺害された日の様子を見た才木が激しく涙をあふれさせる、高橋海人の泣きの演技も胸に迫る説得力があった。これまでも苦悩する役柄は多かった高橋だが、このシーンにはより深みを感じた。放送前のコメントで中村らが若い高橋に「教える」と発言していたが、本作で演技に覚醒したかもしれない。

 公式サイトで原作者・木崎ちあき氏は、「ド派手に生まれ変わったドラマ『DOPE』の放送、私自身もとても楽しみにしております」とコメントして、オリジナルの展開に期待している。原作にない要素を加えつつ、アクションとCGを駆使している本作が、どんな結末を迎えるのか注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。