■「上沼恵美子特番」のあまりにも低い視聴率

 長らく低視聴率に喘ぐフジテレビ。テレビ東京が、今年1月クール(1月1日~3月31日)の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)のゴールデン帯(19時~22時)で、開局以来初の最下位から脱出し、フジテレビが最下位に転落したことも記憶に新しい。

「8月、フジテレビの番組の視聴率が全体的に非常に低調ななか、あまりにも数字が悪いものも散見されました。特に、上沼恵美子さん(70)が出演した番組は相当に厳しかったですね……」(前出の広告代理店関係者)

 8月5日19時から2時間にわたり、上沼と香取慎吾(48)がMCを務めた『上沼&香取のずっと伝えたかった』(フジテレビ系)が放送された。ゲストとして、浅野ゆう子(65)や天童よしみ(70)らが登場した豪華特番だったが、世帯視聴率3.5%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、個人視聴率1.9%、テレビ界で重視される13歳から49歳までの個人視聴率であるコア視聴率は0.6%だったという。

「同番組の視聴率はテレ東の番組よりもはるかに低く、コアに至ってはゴールデンで0.6%というのはちょっと信じられないとても低い数字でした。8月22日には『ザ・共通テン! 大阪2大名物!NG無し上沼恵美子自宅突撃&ヒロミ初USJ絶叫SP』(20時~)という、再び上沼さんが登場する番組がありましたが、同番組も個人2.5%、コア1.4%と非常に厳しかった。

 また同局では昨春から、毎週木曜日20時から『街グルメをマジ探索!かまいまち』というかまいたちがメインの番組がやっているのですが、同番組の数字も深刻になっています。7時からの2時間SPをやっても、個人2%台、コア1%台のこともありますからね。その他のゴールデン番組もコア1%台のものもあり、かなり深刻な状況ですね……」(前同)

 ゴールデン、プライム帯の番組が大苦戦しているというフジテレビだが、番組の制作面においてはさらなる不安の話も。

「清水社長は、中居氏の女性トラブルの引き金ともなった編成局とバラエティ制作部門の解体・再編を進めると宣言。6月の株主総会、7月の人事異動を経て、組織は大きく変わることになったのですが……」(同)

 フジテレビの25年夏の新人事発表では《コンプライアンス意識を向上させ、職場の心理的安全性を高めるために、「コーポレート部門」を強化することです》と説明があったという。

「コンプラ面や人事・労務などのいわゆる会社機能を強化すべく、番組制作の現場から社員が多く当該の部署に異動することになったといいます。結果、現場に人が足りなくなっているそうですよ。

 さらに、テレビ局に就職する人の多くは、当たり前ですがテレビ番組が作りたくて局に入ってくるわけですが、異動によってそれが叶いそうにないとなり、特に若手の間で退社を検討するという動きが続いているというんです。そうなると、ますます現場に人が足らなくなってしまい、さらに番組の質が下がってしまう――そういう展開が懸念されているといいますね」(同)

 そんななか、今、テレビ関係者の間では“日常の視聴習慣としてフジテレビそのものが避けられているのではないか”という分析もあるほどだという。

「一連のトラブルで“もうフジテレビは見ない”という人もいるでしょうし、長引いたトラブルの影響で、『8』にチャンネルを合わせない、という視聴習慣になってしまった人も一定数いるのではないかと言われていますね。

 そう思えるぐらい、今のフジテレビの視聴率は悪いとテレビ関係者の間では話されていますし、フジ局内からも嘆く声が上がっています……」(同)

 復活に向けて動き出したフジテレビだが、今後も相当な茨の道が続くことになりそうだ――。