世間を騒がせている広島県広陵高校野球部の暴力事案。事態が発覚した経緯やその後の報道内容から、SNSではいわゆる“オールドメディア叩き”も勃発し、大揺れとなっている。

 そんな状況のなか、8月14日放送の夕方のニュース番組『Nスタ』(TBS系)にて、同番組のMC・井上貴博アナウンサー(41)のコメントが多くの共感を集めている――。

 広陵高校野球部を巡っては、今年1月下旬、野球部内で集団暴行があったとされる。学校側はこの件を日本高等学校野球連盟に報告し、同連盟は、3月5日に野球部へ厳重注意を行なったが、被害生徒は3月末に転校した。

 ところが、「全国高等学校野球選手権大会」(夏の甲子園)進出が決定後、SNSユーザーが上記のトラブルの内情を詳細に投稿したことを皮切りに、第三者が別の暴力事案も告発するなど、大騒動へと発展。生徒への誹謗中傷や爆破予告、部員の顔写真の拡散行為などが相次いでしまった。

 そうした事態を受けて広陵高校は、夏の甲子園で1回戦(8月7日)に勝利したが、10日に辞退を発表した。

 14日放送の『Nスタ』でこの問題が取り上げられた際、井上アナは「SNSがあったことでもみ消されずに済んだと考えますと、SNSのせいということではなくて、これもSNSの力なんだなと感じますし」とコメント。

 爆破予告など行き過ぎた行為は「あってはならない」とし、そして「事の本質は学校と高野連の初動対応が甘すぎたというところですよね。いじめというより暴行事件に近いわけですからね」と、冷静に分析し、「一番は被害者のケアということで、第三者の調査が今後、行なわれる予定です」と締めくくった。

「井上アナのコメントが評価されているのは、学校と高野連への忖度ない言及に加えて、SNSの存在、影響を“整理”したことですよね。井上アナは、暴力事案の“報告”とその後の誹謗中傷は違うことだと整理して、理路整然とコメント。

 同問題は、8月11日放送の『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)への反応が良い例ですが、本質からズレて“オールドメディアvsニューメディア”のような構図でも大荒れになっていますからね」(制作会社関係者)

『スーパーJチャンネル』では、同問題が紹介された際、MCの井澤健太朗アナウンサー(31)が「SNSの何気ない投稿が高校球児の夏を終わらせてしまうということも投稿する前に考えてほしいと思います」と発言した結果、“SNSのせいにするな”“隠蔽されそうだから告発したんだろう”などと批判の声が殺到してしまった。井澤アナの発言の真意は分からないが、これに限らず、発端である暴力事案ではなく、SNSでの誹謗中傷が辞退の原因となったかのような論調を厳しく言う声は多い。