■4連敗と不振続き怪物がついに復活

 ヤマニンウルスと挑んだメインの東海Sは、五分のスタートから、スッと前目につけて、楽な手応えのまま最後の直線で先頭へ――。

 ここ4戦、“どうしたんやろう?”と首をひねるような競馬が続いていましたが、この日のヤマニンウルスは違いました。

 デビューから無傷の5連勝でGⅢプロキオンSを勝ったときのような、強いヤマニンウルスが帰ってきた感じです。やっぱり、この馬は走ります。

 酷暑対策に関しては、パドックの周回回数をもっと減らすとか、海外のように、馬場入りしてすぐにレースをするとか、さらなる対策を打ち出していく必要があると感じた1日でした。

 さらに暑さが増す8月9日は、札幌でキズナ産駒のジャスティンアースをパートナーに、GⅢエルムSに挑戦。翌8月10日は、中京に移動して、ここまで9戦4勝のジューンブレアで、GⅢCBC賞に挑みました。

 その日も中京は、2分制の競馬。

 ファンの人にとっては、僕ら以上に長すぎる昼休みに感じると思いますが、1部の午前で馬券を取った人も、外れた人も、キンキンに冷えたビールを飲みながら、一度、気持ちをリセット。午後3時にスタートする2部の競馬を楽しんでください。

武豊(たけ・ゆたか)
1969年3月15日、京都府京都市生まれ。1987年3月1日にJRA騎手デビュー。翌1988年、スーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。以後、オグリキャップ・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・ディープインパクト・キズナ・キタサンブラック・ドウデュースなど歴代名馬の手綱を取り、国内外GⅠ通算100勝超を達成した“レジェンドジョッキー”である。2018年9月には史上初のJRA通算4000勝、2024年5月12日には前人未到の4500勝をマークし、2024年度JRA賞特別賞と黄綬褒章を受章。現在もトップクラスで騎乗を続ける “競馬界の第一人者”兼“最多記録更新請負人”。