■残業時間、若手の負担… 気になる疑問を直撃

 今回の動画を見て、「(職員が)当たり前のように10時まで残業」しているように映った視聴者もいた。実際のところはどうなのか。

「『こども霞が関見学デー』は年間最大のイベントで、その前日は私たちにとっても最も忙しい1日。恒常的に残業が発生しているということでは決してありません」

 またネット上には、イベントのチラシ作りなどは外注して職員の負担を減らすべきだという意見も散見されたが……。

「イベントの資料などは、従来から職員の手づくりでやっています。これは農水省に限らず、各省庁同様で、可能な部分は職員が担当します。もちろん、パネルの設置や電気工事が必要な設営など、外注している業務もあります」

 また、SNSや動画制作といった業務について、若手職員が「やらされている」のではないかという声も上がっていた。

「それはまったくありません。そもそもYouTubeチャンネルでの発信は、農水省内で提案があって始めたもので、今回の動画も職員自らが企画し、撮影したものです。SNSでの発信も若手の職員を中心に行っています。いずれも、職員が積極的かつ能動的に取り組んでいます」

 とはいえ、結果的にネガティブな反応を呼んでしまった今回の動画。農水省としてもネット上での発信に対して、学ぶべき点が多かったようだ。

「応援しているとか、頑張ってねといったエールもたくさんいただいたのですが、働き方に関して、今回のような形で注目されるとは想定していませんでした。動画の内容がどのように受け止められるかについて、考えが至らなかった部分があったと思います。ネット上での発信力は強化していきたいという思いはあるので、今回のケースを大きな教訓として、動画やSNSでの投稿内容やその方法は、今後も勉強を続けていきたいと思います」

 一般的なYouTuberのような企画も多く、親しみやすさで注目されていた農水省のYouTubeチャンネル。プチ炎上を経て、今後も個性的な発信が続けられることを期待したい。