日々、若者文化や社会問題を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が今、注目するのは変化する「モテる基準」だった。
令和の高校生男子における「モテる要素」が、昭和時代の基準とはまるで変わってきているように感じられます。
7月に放送された『めざましテレビ』(フジテレビ系)の特集によれば、昭和ではモテる基準が「運動できる」「面白い」「頭がいい」だったのに対し、令和では「コミュニケーション力が高い」「優しい」「運動できる」という結果だったといいます。
また、髪型にも変化が表れているといい、圧倒的な支持を集めていたのが「センター分け」。「顔がはっきり見える」「ナチュラル」「爽やか」というのがその理由で、清潔感・自然体への志向が背景にあるのかもしれません。
さらに、写真や動画を上手に撮れることが「かっこいい」とされる傾向があるのも、自己表現の手段としてSNSが日常と恋愛を結びつけている令和の大きな特徴です。昭和では「写ルンです」などで現像した写真をアルバムに「残す」ことが主流でしたが、現在はAIで加工や修正を施した写真を投稿するSNS文化が一般的。写真が「演出するもの」へ変わったことから、こうした工夫が個性を際立たせることが、“魅力”につながっているようです。
「時代の変化に伴い、高校生たちの文化やコミュニケーションのあり方も一新されています。連絡手段も大きく変わり、昭和は家の固定電話が一般的でしたが、令和の高校生たちはインスタグラムのDMを主な手段として使用しています。ある調査では81%以上がDMを選んでおり、ストーリー投稿にリアクションを送ることで自然なやりとりが始まります。他にも、詰襟の制服が減少し、ブレザーの比率が上昇。昭和の青春を象徴していた『好きな男性の第2ボタンをもらう』という文化がなくなり、代わりに『ネクタイをもらう』というスタイルになっています」(エンタメ誌ライター)