■「良い意味で予想を裏切られた」『放送局占拠』の“視聴者裏切り”
『占拠』シリーズは、ある程度狙ってのことだろうが、登場人物は大真面目なのに“ツッコミどころ”だらけであることが人気を博している。『大病院占拠』がSNSで大バズリしたきっかけも、“武蔵(櫻井)が落下する人質を手を伸ばして助ける場面で、腕が“ビヨ~ン”と伸びたとしか思えない不自然な助け方をする”というシーンが拡散されたことだった。
そういったツッコミどころや、ストーリー構成が3作ともほぼ同じなことも含めて“マンネリ”や“『占拠』クオリティ”が愛されてきたが、現在放送中の『放送局占拠』では、武蔵の義弟で刑事の伊吹裕志(加藤清史郎/24)、3作通して暗躍する男・大和耕一(timelesz・菊池風磨/30)を巡って、視聴者の意表を突く展開が繰り広げられた。
【以下、『放送局占拠』ネタバレを含みます】
伊吹は、第1話で放送局占拠が発生した際に武装集団「妖」たちに拉致されて、廃墟に監禁される。そこに現れた大和に脅され、裏社会の始末屋「のっぺらぼう」の拉致に協力させられることに――というストーリーが、第5話まで展開された。
ところが、実は伊吹が廃墟に監禁されてからの物語は、本編より3か月前の出来事だったことが、第6話で明らかに。占拠事件と同時進行しているかのように描かれていた一方で、“ネクタイの色が時間軸で違う”“背景のカレンダーの日付がおかしい”など、ヒントも用意したうえでの、巧妙なミスリードだった。
しかも、これまで正体不明だった占拠事件のリーダー「般若」の正体が伊吹であることも明かされ、暗躍していると思われていた大和は、実際には冷凍室に監禁されて瀕死の状態。予想外の展開の連続だった。
これには視聴者から、
《この展開読めなかった 良い意味で予想を裏切られた…》
《考察班もスゴいけど、ちゃんとロジカルに推理できるようなヒントをドラマ内に散りばめてる製作陣と脚本家さんの技術凄いー! 時系列誤認トリック?が明かされる演出良かった~》
《この時系列のトリック気付いた方はほんとすごいなあ…言われて見ればネクタイとかも微妙に違ってるんだよね》
などなど、驚きのシナリオを絶賛する声が多く寄せられている。
「同時進行に見せかけてのミスリード。普通のドラマではまずやらない、大胆な発想ですよね。そういったチャレンジ精神の根底には、『占拠』シリーズの立ち上げメンバーの経歴も影響していると見られていますね。ドラマ畑出身ではない方もいるといい、だからこそ、斬新なアイデアが出て、それが作品の人気を高めていると。
TVerでの人気は圧倒的ですし、櫻井さんもシリーズ化に意欲的。素晴らしい“視聴者裏切り”を見せてくれた『占拠』シリーズは、今後も長く続いていくのではないでしょうか」(同)
公式TikTokで違法アップロードとしか思えない編集のネタ動画を投稿するなど、SNS戦略に力を入れている『占拠』シリーズ。今後も、大いなる裏切りがあるのかも――。