芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和のあの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。

 芸能人になって初めて食べたもの、それが焼き肉です。当時は焼き肉の文化が浸透していなかったんです。

 フジテレビの社屋が河田町にあったとき、収録が終わると、みんなで四谷にある『羅生門』や『名門』といった焼き肉店に繰り出しました。タンを知らなかったから、「ベロを食べるの!?」と驚いたものです。

 1990年にハワイで『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の放送があったとき、テレフォンショッキングのゲストが私だったの。放送後に行った、ワイキキにある『焼肉ひろし』の薄切りのタンには、「何枚でも食べられる!」と感激しました。あのタンはおいしかったなぁ。

 今は男女で焼き肉に行くのはフツーのことだけど、以前は「焼き肉屋にいる男女は付き合っている」という風潮がありました。

 そんな“クサい仲”を狙ってトシちゃん(田原俊彦)と2人きりで焼き肉に行こうとしたら、ニッポン放送のスタッフが、ぞろぞろ付いてきちゃって。心の中で「気を利かせて帰ってよ!」とつぶやきましたね(笑)。