■「もうファン辞める」「いちいち騒ぎ過ぎ」対立する意見

 実際、メディアによってあいみょんのタトゥーに関する意見は分かれる。あいみょんのタトゥーに関してニュースのコメント欄などでは批判的なコメントも少なくないが、Xでは《あいみょん、何でこんなことするかなぁ》《もうファン辞める》とがっかりするような声もあるものの、

《別に構わんやん》
《なにが問題なんだろ?》
《いちいち騒ぎ過ぎじゃないか?》

 など擁護派の声もとても多い。前出の三杉氏が続ける。

「あいみょんさんのデビュー曲は、『貴方解剖純愛歌~死ね~』というタイトルで、歌詞もなかなか過激なものでした。コアなファンは彼女の本来の音楽性を知っていたとしても、人気になればなるほど、昔からのファンとライト層との間では認知における温度差が出てくるものです。あいみょんさんのタトゥーが今、騒がれていることについては、ヒット曲『マリーゴールド』の影響で、“フォークソング的で清楚”といった印象を持った人たちがギャップを感じたからかもしれませんね。

 そしてそもそも今の時代、タトゥーを入れる側だって温泉に入るのが難しくなるなどと、日常生活に制限があることは承知の上でしょう」

 メディア出演に影響が出るのではと懸念する声もあるようだが──。

「たしかに、地上波テレビは“事なかれ主義”ではあります。過敏な視聴者を刺激し、クレームが届くのは避けたいということで、どうしても守りに入ってしまうため、タトゥーが入っている場合、番組によってはシールを貼る、見えないようにするなどといった対応がなされることもある。ただ、“タトゥーが入っている”という事実自体がすべての出演を阻むものではないでしょう。

 現に、2024年の『紅白歌合戦』にはB'zが出場しましたが、ボーカルの稲葉浩志さん(60)にもギターの松本孝弘さん(64)にも複数箇所にタトゥーが入っています。長袖ジャケットなどで見えないようになっていましたが、タトゥーがあると全員出られない、という理屈ではないことを示したともいえます」(前同)

 たて続けにタトゥーを披露したあいみょん。タトゥーも含めて自身の生き方だというスタンスだと感じさせるが、彼女に限らず、タトゥーを入れるアイドルやアーティストが増えるなか、それを目にする日本人の意識が変わるのには、もう少し時間がかかるのかもしれない。

三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。