■暴動は三浦・原田泰造が仕組んだ?

 将軍の実父というだけで政の実務経験がないなどと、治済が御三家にやりこめられていたことは、それが反動となり、一橋家が幕府を支配していく布石だろう。かと思えば、変装して市中に出て暴動を扇動とやりたい放題。今後は意次が幕府から追放され、意次と関係があった蔦重らには、思うように出版できないつらい時期がやってきそうだ。

 そんな中、怪しい動きを見せているのが三浦(原田)だ。X上では以前から、三浦が気になるという声がチラホラあったが、今回は《やっぱり三浦は黒確定なんじゃないか?民の不満がいずれ打ちこわしに発展したとしても「22日に米が配られる」と読売を撒かなければ、あの日あの時あの場所で暴動は起きなかったわけで》などの指摘が。

 意次の側近である三浦は人の良い役柄だが、裏で治済とつながっているかもしれない。蔦重に黄表紙の出版を頼んでいたときも、お咎めについては言葉を濁していた。お救い米の読売を頼んだのも暴動を煽るためで、奥州からの米が届かないことを治済から知らされていたとしたら納得がいくが……。

 史実によると、意次の失脚、老中に就任した松平定信の「寛政の改革」による読み物への締め付けなどと、しばらくは、重い回が続きそうだ。しかし、そんなマイナスの状況でも、蔦重は浮世絵という新たなチャンスに目をつけ、出版で抗うべく本格的に動き出すはず。蔦重が再び立ち上がり、べらぼうな活躍をするのを待ちたい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。