浅草キッド玉袋筋太郎が、“昭和オヤジ”としての矜持とユーモアを胸に、同世代にエールを送る人生コラム。ともに令和を生き抜く、イケてる“老Guy”を目指そう。

 重箱の隅をつつく告げ口社会について。

 昔はテレビ番組への苦情といえば、新聞のテレビ欄の下にあった『放送塔』という投書コーナーに載ったぐらいでさ。

 それが今やSNSが強大な力を持って、ありんこでも、巨象を倒せる時代になった。広陵高校が急遽、甲子園出場を辞退したのも明らかにSNSの力だよ。

 その結果、学級委員、公務員的な「いい子ちゃんタレント」が重宝されてきた。

 勝新やショーケンは二度と現れない。名著・殿山泰司の『日本女地図』(KADOKAWA)は書くことすら許されない。時代の流れだから、しかたがないのか。それで本当に面白い?

 それでいて「最近のテレビつまらない」と言うよね。

 タレントに品行方正を求める視聴者はふだん、下ネタを言わねぇのかって。

 こんなこと言ってると老害扱いされちゃうんだけど。昔は「ロクなもんじゃないから芸人になった」と言ったもんだけど、今は、それも許されないのよ。

 最近の芸人なんて大して悪いことなんか、してないじゃん。せいぜいオンラインカジノぐらいなものだ。

 オンラインカジノは反社に金が流れているから、ダメなのは分かっているよ。

 だったら、公営ギャンブルに来いっていう話をするけどさ。

 どういうのがロクなもんじゃねえのか。結局、政治家が一番、ロクなもんじゃねえわけだよ。

 勉強して、いい学校出て官僚になったと思ったら、政治家に転身して私腹を肥やしてるわけで。