フジテレビは8月28日、港浩一元代表取締役社長(73)と大多亮元専務取締役(66)に対して、一連の“中居氏・フジテレビ問題”での対応などに関して、50億円の損害賠償請求訴訟を提起したと発表した。
元タレントの中居正広氏(52)と同局の元女性アナウンサーAさんとの間で2023年6月に起きたトラブルに端を発した“中居氏・フジテレビ問題”。同トラブルは24年末から報じられ、フジテレビを揺るがす大問題へと発展。港氏は1月27日付で社長を辞任。大多氏は関西テレビ放送の代表取締役社長を務めていたが、4月4日付で辞任した。
3月31日に発表された第三者委員会報告書では、被害女性Aさんに対する中居氏の行為が”性暴力“だと結論づけられたほか、トラブルが発生した際、港氏と大多氏は人権侵害の可能性があると報告を受けながらも、適切な対応をしなかったとされた。
そしてフジテレビは8月28日、《被告らの任務懈怠(※任務の義務を怠ること)によりフジテレビが被った損害の一部について、損害賠償請求をする》と声明を出し、今年6日30までに同局が被った損害額453億3503万6707円の一部として、港氏と大多氏に連帯して支払いを求めた。
「世間では、フジテレビが港氏と大多氏に対して訴訟に動いたことから、いずれはトラブルのきっかけを作った中居氏にも責任を追及する流れになるのではないか、と見る向きは多いですよね。清水賢治社長(64)も、意味深ともとれる発言をしていますからね」(スポーツ紙記者)
清水社長は、6月5日に行なわれた囲み取材で中居氏の法的責任の可能性について「まだこの段階で申し上げることは何もありません」としつつも、
「まだ我々はすべての選択肢を残したままという状態であるとしか申し上げられません」
と、含みを持たせた言い方をしていたが――広告代理店関係者は「フジテレビ局内では、中居氏を訴える可能性は極めて低いだろう、という声が多いですね」と言い、こう続ける。
「確かに一部では、株主たちが経営責任を厳しく見るなかで、大損害となった騒動の発端を作ったとも言える中居氏をフジテレビは訴えるべき、とする声はありますよね。
しかし、もしフジテレビが中居氏を訴えてしまうと、中居氏は確実に弁護士と徹底抗戦してくることになり、そうなると結果、被害女性Aさんに“飛び火”してしまう可能性が高いんです。そして、フジテレビはAさんと“合意書”を締結していることもあり、なおさらAさんに被害が及ぶ可能性があることはできないんです」