今田美桜(28)が主演、北村匠海(27)が準主演を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』。同作は第22週(8月25日~29日)の5回中3回が世帯視聴率17%を超えるなど、ここにきて視聴者が右肩上がりとなっている――。
【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】
『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じる。
物語は第23週(9月1日~5日)の時点で1967年(昭和42年)。放送は第26週(9月22日~26日)で最終回を迎える予定だ。
「物語が終盤に向かいつつある『あんぱん』ですが、シナリオの評判はとても良いですね。そんななか視聴者の間では、国民的ヒーロー・アンパンマン誕生までの経緯はマストとして、それ以外にも“最終回までに絶対に描いてほしい“といわれることが複数ありますね」(テレビ誌編集者)
視聴者に期待されていること――まず、現在、『あんぱん』視聴者の間で最も注目されていると言っても過言ではないのは、のぶの妹・蘭子(河合優実/24)と、「九州コットンセンター」(※モデルは後に『サンリオ』となる『山梨シルクセンター』)を営む八木信之介(妻夫木聡/44)の恋の行く末だ。
蘭子は結婚の約束をしていた青年・豪(細田佳央太/23)を戦争で亡くしたことから「一生分の恋をした」と恋愛に消極的だったが、八木もまた、戦争で妻子を失った身の上。本好きや文化的な一面も近いところがあり、次第に互いに意識しあうようになっていった。
9月4日放送回では、引っ越しの準備をしていた蘭子の部屋を八木が訪問。帰ろうとしたときに雨が降っていたことから蘭子が傘を渡そうとするも、「キミが濡れるだろう」「いえ、いいんです」というやりとりのなか、2人の手が触れて――というドキドキの場面が描かれた。2人の関係に進展があったのかは明言されていないが、この回以降、より両者の仲は深まっている感じもあり、
《朝ドラあんぱん、蘭子と推しの八木さんの恋の行方が気になりすぎて、全然本編入ってこんから、早くどうなるか教えて欲しい笑》
《蘭子と八木の恋の行方はどうなる?》
《今日のあんぱん。蘭子と八木。社内であんな見つめ合ってたらバレバレ笑》
といった、彼らの恋模様を気にする声が多く寄せられている。
「次に、視聴者が『あんぱん』に注目している点としては、やはりアンパンマンが国民的作品になるまでがどのように描かれるか、というところです。残る話数は少ないですが、史実を考えると、もうすぐ国民的ヒーロー・アンパンマンのプロトタイプとも言える作品が世間に公開される展開になるはずです。そして、そこからの紆余曲折を経てのアニメ化までの流れも描かれると見られています」(前同)
アンパンマンの原点は、青年誌『こどものえほん 1969年10月号』(PHP研究所)に掲載された短編作品『アンパンマン』。同作のアンパンマンは小太りのおじさんで、物語も“カッコいいヒーロー”へのアンチテーゼが込められた大人向けの作品だった。
その後、“顔があんぱんのヒーロー”が1973年(昭和48年)に子ども向け作品『あんぱんまん』(フレーベル館)として発表され、カタカナ表記にしたうえでシリーズ化。1988年(昭和63年)にアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)が始まり、現在に至る。初代『アンパンマン』が誕生してからアニメ化まで、20年以上かかるのだ。