阪神タイガースのレジェンド、“ナニワの春団治”こと川藤幸三が猛虎愛を語り尽くす熱血コラム。OB目線の激励から時には喝も……熱き魂が炸裂する!

 ワシは10代の頃から夏が好きやった。高校野球というたら、やっぱり夏が本番。新学年になった春先も蝉が鳴きまくる夏が恋しくて、しょうがなかったな。

 プロの世界に入っても同じやった。特にバッターはピッチャーがへばってくる夏になると、さあ待ってましたとばかり打ち出すヤツが多い。一軍と二軍を行ったり来たりしてたワシも例外やない。だから、夏の暑さなんてもんは、これっぽっちも苦にならんかった。

 しかし、ここ数年の日本の暑さは尋常やない。特に今年の夏は野球に限らず、屋外スポーツはみんな、サウナの中でプレーするような感覚やないかな。野球も日中はグラウンドレベルだと、気温はゆうに40度を超えているようや。しかも、夜になっても蒸し暑い。

 当然、こまめな水分補給や休憩、食事や睡眠の質の向上は不可欠や。そして、こういう異常な暑さの時代は巨人や中日のようなドームを本拠地とするチームが有利だと誰もが考える。外は暑くても、空調の利いたドームの中は快適や。一方、他の4球団は相当しんどい思いをせなならん。