■「責任を最後まで全うしたい」――加害問題が勃発時にも見せた座長の覚悟

 2023年9月に旧ジャニーズ事務所がジャニー氏の加害行為を認めたことで、NHKほか多くのテレビ局が、旧ジャニーズに所属するタレントの新規起用取りやめを発表する事態へと発展した。

 当時、旧ジャニーズに所属していた松本は、同年11月に『あさイチ』に出演した際に、MCの鈴木奈穂子アナウンサー(43)に加害問題の件を聞かれ、

「この番組とかもそうですけど、自分たちが現場で作った作品がオンエアできないんじゃないかとか、今日も『あさイチ』も出演できないんじゃないかみたいなことも考える時期もありました」

 と率直な思いを告げたうえで、

「そうなると、僕はやっぱり大河ドラマの主演で今回作品に出させていただくという意味では、その責任を最後まで全うしたいというふうに、今なお思っているので。それが何かちゃんとできるような形になればいいなというのは、考えながらずっとやっていましたね」

 と、明かしていた。

「今回の『19番目のカルテ』もそうですが、松本さんからは、“座長として責任を全うしたい”という強い想いが伝わってきますよね。

 松本さんのそういった熱い想いが実を結んだのでしょう。騒動があった『19番目のカルテ』の最終回の数字は、とても良いものでしたね」(制作会社関係者)

 同ドラマは清水の逮捕やバレーボール中継の延長の件に加えて、『東京2025世界陸上』(9月13日~)の放送の都合上、通常の日曜劇場よりも話数が少ないこともあり、

《世界陸上の板挟みで話数減って最終回直前に清水が逮捕され、挙句の果てにバレーで放送時間が遅れるという日曜劇場の中でも近年稀に見ぬ不遇さ》
《世界陸上で話数を減らされ、最終回直前で出演者逮捕、バレー延長で55分遅延と言うあまりにも散々なドラマ…》

 といった声も多かったが――、

「『19番目のカルテ』の最終回は、世帯11.0%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人6.6%、コア(13~49歳の個人視聴率)3.1%。夜10時台で、しかも想定外の時間変更を被った番組としては、かなり高い数字です。前日の『Nキャス』での松本さんの真摯な姿に胸を打たれて、ドラマを見た視聴者もいたのではないでしょうか」(前同)

 松本にとって、『99.9-刑事専門弁護士-season2』以来約7年ぶりの日曜劇場であり、『どうする家康』以来約2年ぶりの主演ドラマだった『19番目のカルテ』。まさかの茨の道になったが、有終の美は迎えられたようだ。