■黒幕探しもいまひとつ盛り上がらず

 細かいツッコミどころは多くあるが、最近は視聴者がツッコミ疲れたのか、X上では減り気味だ。さらには、《毎回思うが妖は全ての闇を知っているならなぜ武蔵三郎に闇を暴かせるのか?意味が分からない。大和耕一は妖が大量殺人を目論んでいるというが、それは傀儡子の闇を暴く事と矛盾してない?何かよく分からない》という、“それ言ったらダメなやつ”など、ドラマのそもそもへのツッコミが出てきた。

 そんな中でも、傀儡子の名前が出た第5話以降、その正体が誰なのかは話題になっている。今回の放送後、X上で、《奄美の「あいつらどこまで……」って、どこまで自分(傀儡子)のこと知ってるんだ?って意味じゃ……?やっぱり傀儡子は戸次重幸?》なと指摘されたように、おそらく、報道番組のプロデューサー・奄美で確定だろう。

 傀儡子は人形を操る芸人のことで、今回の黒幕だと思われる。残った登場人物の中で考えると、演じている俳優の格的にも、奄美がふさわしい。テレビ局を乗っ取って操作していたのが、テレビ局側の人間というのは驚きがなさすぎるが、この作品なら、そういうわかりやすいオチも十分に考えられる。

 物語が盛り上がる最終盤、多くのファンを持つ櫻井と菊池の力を持ってしても、視聴率の数字が落ちるというのは、さすがに『占拠』シリーズの手法が飽きられてしまったということだろう。今後、盛り返すことがなかったら、次の新作はもうないかもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。