芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和のあの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。

 今回はテレビ局ごとの違いについて話したいと思います。昔はチャンネルの数字が若い順に立派なテレビ局といわれていたんです。

 アナログ放送時代のチャンネル番号だから、NHK(1)、日本テレビ(4)、TBS(6)、フジテレビ(8)、テレビ朝日(10)、テレビ東京(12)という順ね。ただ、NHKはずっと強いんです。どんな山奥でも、なんなら海外でも見ることができますからね。

 それに、世間の信頼度もダントツですよ。私は『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)に毎週出ていた頃も、銀行にローンを申請すると「返せる保証がないので」と断られていました。それが、NHKの朝ドラや大河ドラマに出たとたん、銀行でお金を借りられるようになりましたからね。

 NHKは基本的にロケ弁が出ないの。私がレギュラーを何本もやっていた頃は、無理を言って喫茶店からサンドウィッチとコーヒーを出前してもらったけどね。

 出演者は皆、食堂を利用するんです。NHKの食堂は面白いわよ。時代劇のお侍さんがいたり、『おかあさんといっしょ』の子供たちがいたり、不思議な光景が広がっているんです。