■これまでも多くの登場人物との別れが描かれてきた『あんぱん』

 9月12日放送回では《東海林が上京した本当の理由》が明かされ、それを知った嵩(北村)とのぶ(今田)が言葉を失う、とも予告されている。

「東海林はどうなるのか……津田さんも大人気なだけに、多くの視聴者は気にしていますよね。

 そんな『あんぱん』ではこれまでも、多くの登場人物との“涙の別れ”が、何度も描かれてきましたよね。物語が戦後になってからは、のぶの祖父・釜次(吉田鋼太郎/66)が7月17日放送回で、のぶの祖母・くら(浅田美代子/69)が8月1日放送回で天寿を全うしました。物語序盤からずっと出ていた2人の“退場”も多くの視聴者を泣かせましたが、戦時中には“戦争の悲劇”や“突然の病死”など、ことさらに辛い、悲劇的な展開も多かったですよね。

 終戦記念日が描かれた9月5日放送回では、嵩が戦死した弟・千尋(中沢元紀/25)、のぶの妹・蘭子(河合優実/24)が出征前に結婚の約束をしたのに戦死した青年・原豪(細田佳央太/23)を悼むシーンがあり、話題になったばかりでもありました」(前出の女性誌編集者)

 嵩の弟・千尋は法律家を目指して大学に進学した、文武両道の好青年。のぶに片思いしていたが、兄の嵩が相手なら――と、のぶに本心を明かすことはなかった。

 ところが、戦争が始まり、千尋は学友からの同調圧力もあって、千尋は海軍予備学生に志願。6月12日放送回で、佐世保から出航する前に嵩にのぶを愛する気持ちを打ち明け、「愛する国のために死ぬより、愛する人のために生きたい」と涙ながらに語るも、そのまま帰らぬ人に。南方の海域で戦死したために骨さえ残らず、戦後、嵩は「海軍中尉 柳井千尋 霊位」と書かれた木片のみが収められた骨壺と対面することに――という戦争の悲劇が描かれた。

 また、戦争編では、嵩の幼馴染・岩男(濱尾ノリタカ/25)の辛すぎる最期も、多くの視聴者を泣かせた。

 岩男は、戦争で中国・福建省に進軍した際に、駐屯地で嵩と再会。岩男は結婚していて、まだ顔を見たことはないが、息子もいる身の上。それもあり、現地の中国人の少年・リン(渋谷そらじ/7)に懐かれていた。

 ところが、岩男は過去にゲリラ掃討作戦でリンの母親を殺していて、実はリンが岩男に近づいていたのは復讐のためだった。岩男はリンに銃で射たれてしまうが、岩男はリンを追おうとする仲間に、“リンは無関係だ”と言い張り、笑みを浮かべて息絶える――という最期が、6月19日放送回で描かれたのだ。

 このほかにも『あんぱん』では、嵩の父・清(二宮和也/42)が本編前に病死。のぶの父・結太郎(加瀬亮/50)は心不全、嵩の伯父・寛(竹野内豊/54)は過労により、前触れなくこの世を去ってしまうなど、何度も“別れ”が描かれてきた。

 多くの視聴者の涙を誘ってきた『あんぱん』の“別れのドラマ”。津田演じる東海林は、果たして――。