■相性いいレースで6度目のVを狙う
夢は広がりますが、話を現実に戻して、9月の騎乗馬の話をしましょう。
9月2週は阪神競馬に参戦。13日土曜のメインは、芝2000メートルで行われる3歳以上のGⅢ・チャレンジカップです。
これまで5度制覇している今年の僕のパートナーは、庄野靖志厩舎の4歳馬、7戦4勝のサブマリーナです。
2着に負けはしましたが、前走のGⅢ・新潟大賞典で、重賞でも十分やっていける手応えは掴んでいます。
そして翌14日は、秋華賞トライアル芝1800メートルで行われるGⅡ・ローズSです。
ファレノプシス(1998年)、アドマイヤグルーヴ(03年)、エアメサイア(05年)、アドマイヤキッス(06年)と、これまで4度制覇しているこのレースで、今年、僕のパートナーを務めてくれるのは、笹田和秀厩舎のフェアリーライクの予定です。
気性的に難しいところがあり、こんなときこそ、『どうぶつごヘッドホン』があればと思いますが、ないものはしかたないので、馬と会話しながら、馬の気持ちに寄り添って、最高の結果を目指します。
(2025年9月8日寄稿)
武豊(たけ・ゆたか)
1969年3月15日、京都府京都市生まれ。1987年3月1日にJRA騎手デビュー。翌1988年、スーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。以後、オグリキャップ・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・ディープインパクト・キズナ・キタサンブラック・ドウデュースなど歴代名馬の手綱を取り、国内外GⅠ通算100勝超を達成した“レジェンドジョッキー”である。2018年9月には史上初のJRA通算4000勝、2024年5月12日には前人未到の4500勝をマークし、2024年度JRA賞特別賞と黄綬褒章を受章。現在もトップクラスで騎乗を続ける “競馬界の第一人者”兼“最多記録更新請負人”。