■俺の連載の読者離れが一番、怖い!

 チャールトン・ヘストン主演の『ソイレント・グリーン』という近未来を描いた傑作SF映画を思い出す。

 人口が爆発的に増加し、温暖化した未来の地球。貧富の差が激しく拡大した管理社会で、貧民が口にできるのはプランクトンから作られる板状の合成食品だけ。

 本物の牛肉や野菜は貴重品で、富裕層しか食べられないんだよ。

 当時の想像はほぼ正解だ。その板状の加工食品はすべて人肉だったというディストピアな結末なんだけどね。

 “新聞離れ”も止められないな。俺は今3紙とってるけど、もう目がツラい。1紙に絞ろうと思ってる。

 それじゃ、若者の新聞離れじゃなくて、老Guyの新聞離れだって。

 しかし、電車で誰も新聞、雑誌を読んでない。99・999%の確率でスマホをイジってる。たまに文庫本読んでる人を見ると、ホッとするんだよね。

 結局、何が言いたいのか。俺の連載の読者離れが一番、怖いんだよ。

 でも、このまま週刊誌離れが続いて雑誌がなくなるとしたら……。毎週の連載が書籍になるというシステムがなくなっちゃうわけで。

 それは、ちょっと想像できない。出版業界にとってディストピアだよなぁ。

玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。