秋の到来にともなって、ナスやカボチャなど今が旬の野菜が店頭に並ぶようになった。この時期ならではの味覚を楽しみたいところだが、料理する際に「どうやって切ればいいの?」と頭を悩ませている方も多いのではないか? ネットを開けばレシピ自体は山のように載っているものの、その手前の“皮の剥き方”“種の取り方”などは自己流で済ませているケースがほとんどだろう。
「実は野菜の切り方は、時代によって少し変化している部分もあるんです。以前なら捨てられていたホウレン草の根などは、“ここが一番おいしい”と重宝されるようになりました。実際、4分の1とか半分に切って簡単に調理できますからね。
ゴボウも家庭科の授業などで“包丁の背で皮をこそぎ取る”と習った方が多いかもしれませんが、すべてこそぎ取るのではなく、タワシでゴシゴシこするくらいで十分なんです」
こう語ってくれたくれたのは、『神楽坂野菜計画』の小嶋陽子さん。これは果物も同様で、リンゴや梨についても切り方の“ニューウエーブ”が注目されているのだという。
「1センチほどの輪切りにする方法です。種の部分はカットせず、食べ残すことになりますね。ちなみにリンゴはもちろんですが、梨も硬さが気にならなければ皮ごと食べることができますよ。皮の近くに甘みが凝縮されていますし、栄養も効率よく摂ることができるからオススメです」(小嶋さん)
この“皮の付近に栄養とうまみが凝縮している”という現象は、多くの野菜や果物に共通している。可能なら、カットしないに越したことはないという。
「ジャガイモやニンジンも火を通すなら皮はそのまま食べられますよ。あえて肉じゃがで崩れる感じを出したいときなどは、皮を剥いてもいいですけどね。桃なども産地の方たちは皮を剥かずに食べることが多い。毛羽立ちさえ気にならなければ、一度チャレンジしてみては?」(前同)