「1971年にカップヌードルが誕生したときの値段は約100円でしたが、インスタントの袋麺は1袋約30円と、3倍以上の差がありました。

 当時、大学生だった私も含め、周りの仲間はみんな袋麺をすすっていて、まさに、お金がない若者の味方でしたね」

 元祖B級グルメライターの田沢竜次氏がそう熱弁するように、袋麺は昭和の食卓に欠かせない食材だった。

 現在、コンビニやスーパーの棚はカップ麺が優勢となっているが、袋麺は格段の進化を遂げているのだ。

 そこで今回は、3種類のAIを駆使し、複数のネット通販サイトのランキングを分析。一般読者、有識者の見解、編集部の取材結果を加え、神7を割り出した。

 まずは第7位、日清食品の『チキンラーメン』(146円=税込み実勢価格・以下同)。インスタント麺研究家の大和イチロウ氏は、こう解説する。

「1958年発売の、世界初のインスタントラーメンです。製造過程で麺にチキンスープをしみ込ませているので、そのまますぐ食べられる“丸かじりチキンラーメン”や、コメと一緒に炊くだけの“チキンラーメン混ぜご飯”など、幅広い多彩な食べ方が楽しめます」

 前出の田沢氏は、こう振り返る。

「今でも忘れられないのが学生時代の夜食です。親が寝静まった台所でコトコト煮込み、部屋に持ち帰って深夜ラジオを聴きながらすすった。器から立ち上るチキンスープの香りも含め、何よりのごちそうでした」

 第6位は、日清食品の『日清ラ王 醤油』(146円)。同じ日清の商品だが、古きよきチキンラーメンに対し、こちらは袋麺の進化を感じられるという。

「強いコシと噛み応えのあるデュラム小麦を使用し、ノンフライ製法で、生麺さながらの食感を実現した革新作。力強い麺に負けない、濃厚なしょうゆスープとの組み合わせもよく、ラーメンファンも納得のクオリティです」(前出の大和氏)

 第5位は、マルタイの『棒ラーメン』(2束224円)。九州・福岡発の袋麺で、1袋に、まっすぐな棒状の麺が2束入った独特のスタイルが存在感を放つ。

「チキンラーメンの翌年に登場したロングセラー。あっさりとしたしょうゆスープのおいしさと、その安さから、近年は若者を中心に人気が再燃しています」(前同)

 博多の屋台でも出されており、酒好きにオススメのアレンジも。

「豚コマとネギを炒め、お湯と麺を加えて水分が飛んだら、付属の粉末スープと、中濃ソースをひと回し加えれば、博多風の焼きラーメンの完成です。晩酌の締めに、ぜひ」(同)

 第4位は、農心ジャパンの『辛ラーメン』(228円)。韓国発のブランドながら、日本の市場でも根強い人気を誇る、その理由とは?

「日本とは異なる韓国のラーメン文化を味わえる魅力があるからでしょう。例えば、チゲ鍋の締めに麺を入れる“プデチゲ”には、辛ラーメンの乾麺がピッタリです。ちぢれた麺が辛いスープによく絡んでクセになるおいしさなので、これからの寒い季節にはぜひ、お試しを」(田沢氏)