■お待ちかね! 「ベスト3」の発表!

 第3位は、東洋水産の『マルちゃん正麺 醤油味』(146円)。強力なライバルを下し、しょうゆラーメンでは最上位にランクインした。

「最大の特徴は、生麺の食感を忠実に再現した点。2011年の発売当時には、“マルちゃんショック”と呼ばれ、袋麺を新たなステージへ押し上げた一品と評されました。スープも、野菜のうま味が豊かで上品、家庭用袋麺としては、間違いなくトップクラスのおいしさです」(大和氏)

 さて、上位2つは僅差の同門対決に。第2位は、サンヨー食品の『サッポロ一番 みそラーメン』(146円)だ。

「老舗ブランドのサッポロ一番の中でも、みそ味は、8種のみそをブレンドした本格派のスープに、麺自体にもみそを練り込んだ、こだわりの一品。お湯と豆乳を半々にしてスープを作り、卵とチーズをのせた、カルボナーラ風のアレンジがオススメです」(同)

 そして、栄えある第1位に輝いたのは、『サッポロ一番 塩らーめん』(146円)。

「トップランナーであり続ける理由は、チキンベースのスープにオニオンやガーリック、独自の香辛料を合わせた唯一無二の味にあります。ラーメンが食べたいのではなく、サッポロ一番の塩味が食べたいと思わせる、袋麺界の王者です」(同)

 田沢氏も、こう思い起こす。

「学生時代、友人の下宿で宴会の締めに大鍋で食べましたし、昔のアパートには共同の台所があったので、誰かしらがサッポロ一番を作っていて、その匂いが廊下に漂っていました」

 焼き豚は高級品で買えなかったが、

「野菜炒めをのせたり、お金がある日は生卵や魚肉ソーセージを加えたり……。令和の今、おいしい袋麺がたくさんありますが、結局は、この味に戻ってしまう、原点の存在です」(前同)

 手軽で最高のごちそう・インスタント袋麺。食欲の秋にいかが?

大和イチロウ(やまと・いちろう)
インスタント麺研究家。インスタントラーメン専門店「やかん亭グループ」代表取締役を務める。

田沢竜次(たざわ・りゅうじ)
元祖B級グルメライターとして活躍。映画評、書評、60~70年代B級カルチャーなどにも精通する。著書に『B級グルメ大当りガイド』『ニッポン映画戦後50年』など。