経営再建中の日産自動車が、サッカー・J1の横浜F・マリノス(横浜FM)の株の売却を検討していることが明らかになり、サッカーファンを中心に大きな衝撃が走っている。

 経営不振に陥っている日産は約75%の株を保有しているが、家電量販店のノジマやITなどの複数の企業にクラブ売却について打診しているようだ。年内には候補企業を絞り、2027年の売却を目指して交渉を進めているとされる。

「横浜FMは1972年に創設された日産自動車サッカー部が前身。93年のJリーグ発足時からJ2への降格経験が一度もないという日本サッカー界を代表するような名門クラブです。しかし、母体の日産の経営が悪化。いよいよ横浜FMにお金をかけている場合ではなくなったということなんでしょう」(ワイドショー関係者)

 7月30日、日産は4月からの6月までの最終的な損益が1157億円余りの赤字だと発表。神奈川県の「追浜工場」と子会社の日産車体の「湘南工場」の2か所で車両生産を終えること、海外ではアルゼンチンとインドの工場を削減することも発表された。

 8月の国内新車販売台数も新型車投入が遅れていることもあり、軽自動車を除く自動車(登録車)の販売台数が5.1%減の1万4591台と大きく落ち込んでしまった。

「日産が横浜FMの売却を検討していることが明らかになり、テレビ関係者の間では、来年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)は大変なことになるのでは……という話がされています。日産は同番組の大スポンサーですからね」(前同)

 8月30日と31日に放送された毎年夏恒例の大型特番『24時間テレビ』では、くりぃむしちゅー上田晋也(55)、羽鳥慎一(54)、水卜麻美アナウンサー(38)が総合司会を務め、SUPER EIGHT横山裕(44)が105キロのチャリティーマラソンを完走した。

 そんな『24時間テレビ』において日産は78年の第1回からメインスポンサーを務め、毎年、番組の2日目の午前中に横浜・日産グローバル本社ギャラリーで、日産から番組へ福祉車両が贈呈されるセレモニー“キー贈呈式”も恒例行事として放送されてきた。

「かねてより日産の経営不振は広く報じられていましたが、今年の『24時間テレビ』は契約がすでに結ばれていたことで同社のスポンサードは変わらなかった。ただ、番組終了直後から日テレ内でも“来年はどうなってしまうのか……”という話が出ていたといいますからね」(同)

 日産の深刻な経営不振が『24時間テレビ』にも大きな影響を及ぼしそうだが、

「ただ、日産が撤退したとしても、日テレが『24時間テレビ』の放送をやめることはないでしょう。局を象徴する番組ですし、『24時間テレビ』があるから社員が団結できるとまで言われる存在ですからね。

 ですがやはり、日産は『24時間テレビ』の全体をスポンサードしている大スポンサーですからね。そんな会社が撤退するとなったら、これまで通りの番組作りはできないでしょう。番組はスケールダウンしてしまうのではないかと」(同)