■「ニチアサからの朝ドラ組が増えたぞ!」――特撮ファンが歓喜

 濱が『ルパパト』で演じたのは、“宵町透真/ルパンブルー”。低音ボイスが魅力的でクールな戦士だが、迷シーンも多く、ネタキャラとしても人気を博した。レオタード姿でエアロビクスをやらされたり、敵の精神攻撃にハマり“満腹状態の仲間の腹に、突然やってきたキツツキが激突して死んでしまうのでは”と意味不明な想像をしてしまう場面などは、いまだ語り草だ。

 そして、濱の『ばけばけ』出演に特撮ファンが沸騰している理由はもう1つ。朝ドラは特撮俳優の起用率が高いドラマとして知られるが、『ばけばけ』も例に漏れず、濱の起用発表前からそのことが話題になっていたから。

 まず、前述の通り吉沢は英語教師・錦織友一役で出演するが、彼は『仮面ライダーフォーゼ』(11年9月~12年8月末/テレビ朝日系)で2号ライダー“朔田流星/仮面ライダーメテオ”を演じていた。同じくライダーでは、『仮面ライダージオウ』(18年9月~19年8月末)で悪役・ウールを演じていた板垣李光人(23)が、主人公・トキ(高石)の親戚・雨清水三之丞役で出演。三男坊で家の中に居場所がなく、トキたちの仕事場に入り浸る若者だという。

 戦隊からは、『王様戦隊キングオージャー』(23年3月~24年2月末)で“ギラ・ハスティー/クワガタオージャー”を演じていた酒井大成(27)が、トキのお見合い相手・中村守道役で出演。父とともに商いに従事する、誠実で素直な好青年ということだ。

 また、『ばけばけ』に雨清水タエ役で第2回(9月30日放送)から出演中の北川景子(39)は、俳優デビュー作が実写版『美少女戦士セーラームーン』(03年10月~04年9月末/CBC)で、“火野レイ/セーラーマーズ”を演じた。同作はファンからも“隠れた名作”と評されている、世間的にはマイナー寄りな作品だが、北川自身も「女優としての原点」と公言していることから、彼女を“特撮俳優“と認識している人は少なくないだろう。

 そこに『ルパパト』出身の濱の出演が決定したことから、

《仮面ライダーメテオ(吉沢)の友人がルパンブルーになった、と》
《ばけばけのキャストにお亮さん、李光人くん、大成くん、正悟くん…あれニチアサ勢が増えている》
《ニチアサからの朝ドラ組が増えたぞ!》
《ウールこと板垣李光人、クワガタオージャーこと酒井大成、もっと遡るとメテオこと吉沢亮、セーラーマーズこと北川景子でかなり特撮OB・OG増えてきたな》
《仮面ライダーメテオとクワガタオージャーとルパンブルーが出演したらそれはもうスーパーヒーロー大戦なんよ、ばけばけ》

 といった声が多く寄せられるなど、特撮ファンが大沸騰しているのだ。

 ちなみに、“NHKドラマに出る予定の俳優が薬物絡みの不祥事を起こして戦隊俳優が代わりにキャスティングされた”というのは今回が初めてではない。23年6月、大河ドラマ『光る君へ』(24年)に藤原隆家役で出演予定だった永山絢斗(36)が大麻取締法違反で逮捕・起訴されたことで、竜星涼(32)が代役を務めたが、竜星は『獣電戦隊キョウリュウジャー』(13年2月~14年2月)で“桐生ダイゴ/キョウリュウレッド”を演じた戦隊出身の俳優。『光る君へ』に起用される前から売れていたが、大河デビューを飾ったことで人気はさらに上昇した。

 似た状況にいると言えそうなルパンブルーこと濱も、『ばけばけ』で大きな人気を得られるかも――。

特撮ライター・トシ 
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受ける。その後、歳を重ねても熱量は衰えず『クウガ』から始まる平成仮面ライダーシリーズと現在も歴史が続く令和ライダーはすべて履修し、『スーパー戦隊シリーズ』、平成以降の『ウルトラ』シリーズも制覇済み。『仮面ライダーゴースト』の主人公の決め台詞でもある「俺は俺を信じる!」を座右の銘に仕事に全力全開。