「めんつゆは開封したら3日以内に使い切ってください――」
最近、この注意書きがSNSで大きな話題になっている。
「えー、1リットルのボトルを買ったら、普通に2か月くらい冷蔵庫で使っていますよ。3日で使い切るなんて無理ゲーすぎる!」(40代主婦)
確かに、家庭の食卓に登場するめんつゆを3日で消費するのは現実的ではない。では、専門家はどう考えているのだろうか。食品ロス問題に詳しいジャーナリストの井出留美氏が教えてくれた。
「3日というのは、水で薄めたストレートタイプの話です。濃縮タイプなら冷蔵庫で1〜2か月は使えます。塩や砂糖は天然の保存料ですから、濃度が高ければ保存性も上がります。3日で使い切れない方は、濃縮タイプを選ぶのがおすすめですね」
めんつゆに限らず、私たちは賞味期限の意味を誤解していることが多いそうだ。
「賞味期限は美味しく食べられる目安。未開封の状態を前提にしています。一方、消費期限はおにぎりやお弁当のように劣化が早い食品に表示されます。消費期限は守るべきですが、賞味期限は過ぎても工夫すれば食べられることが多いんです」
では、普段よく食卓に並ぶ食品はどのくらいもつのだろうか。
「牛乳は高温殺菌タイプなら比較的長持ちですが、低温殺菌だと消費期限が短く、購入時点で残り2日程度のこともあります。マーガリンは開封後1か月ほど、生クリームは2〜3日以内に使い切るのが安心です」
肉や加工品も要注意だ。
「ハムやベーコン類は保存料が少ないものだと、開封後3日ほどで劣化する場合があります。心配なら冷凍で1か月ほど延ばせますが、家庭用冷蔵庫は開け閉めが多く温度変化も激しいので過信は禁物です」