邦画では異例の製作費25億円が投じられたという妻夫木聡(44)主演の映画『宝島』から、新たなスターが生まれようとしている――。

 映画『宝島』は、第160回直木賞を受賞した真藤順丈氏の同名小説(講談社)が原作。戦後、アメリカに統治されていた時代の沖縄を生きる幼馴染のグスク(妻夫木)、ヤマコ(広瀬すず/27)、レイ(窪田正孝/37)、そして、1952年に行方不明になった、彼らのリーダーのオン(永山瑛太/42)。彼らの友情や、自由への葛藤などを、沖縄の歴史を交えて描く、20年にわたる壮大な物語である。

 豪華俳優陣の出演も話題となっている同作――鑑賞した映画ライターは言う。

「まず、主演の妻夫木さんは、9月26日まで放送されていたNHK連続テレビ小説あんぱん』(2025年前期)で戦争を嫌う上官・八木俊太郎を演じ注目を集めたばかりでしたが、『宝島』でも素晴らしい演技と存在感を見せてくれています。アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境に怒りを募らせる“島人(しまんちゅ)”のグスクを好演。彼が物語と観客を繋ぐ存在ですね。

 窪田さんは、彼の持ち味である、次の瞬間に何をしでかすか分からない恐ろしいオーラが本作でも圧倒的。危うい魅力を放ち続けていて、文字通り目が離せない存在です。

 紅一点の広瀬さんも、“昔も今も周囲の理不尽に巻き込まれる女性”を、しっかりと演じていました。そして、幼馴染3人組と並ぶ重要ポジションにいる永山さんは、彼らと比べると出番が少ないですが、短い出番で強烈な印象を残していましたね」

 妻夫木、窪田、広瀬、永山。4人は言わずと知れた売れっ子の一流の俳優のため、映画『宝島』を観賞した人たちも彼らが名演技を見せてくれることは事前から想定していたところだろうが――、

「『宝島』が本格的な俳優デビュー作である栄莉弥さん(19)が、彼らに勝るとも劣らない輝きを放っているんです」(前同)