高石あかり(22)が主演を務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。9月29日にスタートした同作では渡辺江里子(53)と木村美穂(51)によるお笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹が、異例の方式でのナレーションに起用されている。初回では不評の声もあったが、早くもその評価が変わり始めているようだ――。

【以下、『ばけばけ』ネタバレを含みます】

『ばけばけ』は、日本の民話を『怪談』という名の文学作品へ昇華し世界へ広めた明治時代の小説家・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルにした物語。高石がヒロイン・松野トキを、トミー・バストウ(34)が、八雲がモデルのレフカダ・ヘブンを演じる。第1週(9月29日~10月3日)では、トキが7歳の幼少期(福地美晴/10)の物語が展開中。

 同作で語りを担当する阿佐ヶ谷姉妹は、単なるナレーションではなく、トキとヘブンを見守る蛇(渡辺)と蛙(木村)として出演。渡辺が《親戚のおばさんたちが見守っている感じ》と評しているように、2匹は状況を解説するだけでなく、展開にツッコむなど、視聴者目線のトークで話を賑やかにするポジションでもある。

 初回の2匹の初登場シーンでは、トキがヘブンにキスされる姿を庭から眺め、「やだちょっと……朝よ!? (場面は)夜だけど……うん、夜だけど、(放送時間は)朝なのよ!」(蛇)、「もう~仲良しなんだから!」(2匹)などとメタ発言が飛び出すなど、強いインパクトを与えた。

「阿佐ヶ谷姉妹は、井戸端会議のようなノリのトークなど“リアルなおばさん感”が持ち味のコンビとして有名ですが、『ばけばけ』での蛇と蛙の掛け合いは、いつもの阿佐ヶ谷姉妹そのまま。外見が蛇と蛙なのは、史実で八雲&セツ夫婦が気に入っていた生き物だったからだといいます」(テレビ誌編集者)

『ばけばけ』制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサーは9月29日配信の『マイナビニュース』にて、《トキはコメディタッチで書いていますが大変なことがいっぱい起こるので、そこを明るく応援してくれるようなスパイスになるようなものがあったらいいな》という理由から、脚本担当のふじきみつ彦氏と相談して、“蛇と蛙”が誕生したとのこと。

 ただ、良くも悪くも個性が強いナレーションのため、初回の時点では、

《(前期朝ドラの)「あんぱん」のほうがマシだったなの可能性を感じてしまうんだよな、阿佐ヶ谷姉妹のナレーション》
《声だけでここまで存在を主張できる阿佐ヶ谷姉妹すごい。改めて惚れ直してしまう。でもドラマのナレーションには向いてない気がする》
《蛙と蛇必要?もしかしてあれがナレーション的な感じ?だとするとちょっと耳障りかな》

 といった不評の声も一定数あったが――、

「『ばけばけ』はNHK大阪が制作していることもあってか演出はコメディ色が強めですが、本筋のシナリオは序盤から非常に重め。第4話にして主人公の父親が事業に失敗して借金まみれになり、まだ7歳のトキが学校に通えなくなってしまうなど辛い展開が描かれました。ここまで重い展開は視聴者も想定外だったようで、阿佐ヶ谷姉妹のナレーションが視聴者にとっての“癒し”となりつつあるようなんです」(前同)