今田美桜(28)主演のNHK連続テレビ小説あんぱん』のスピンオフドラマ「特別編」(全4回)が、10月2日最終回を迎えた。これで本当に『あんぱん』は完結したと言えるだろうが、視聴者からは、河合優実(24)演じた大人気キャラクター・蘭子の“本編その後”が描かれなかったことを残念がる声も多いようだ。

【以下、『あんぱん』ネタバレを含みます】

『あんぱん』は国民的キャラクター「アンパンマン」の生みの親である漫画家・やなせたかしさんと小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻がモチーフ。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村匠海(27)がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じた。

 同作は9月26日に最終回を迎えたが、9月29日から10月2日までの4夜連続でスピンオフドラマ「特別編」を放送。サブキャラクターたちの掘り下げが行なわれ、10月2日の最終夜では、後にやなせスタジオ代表取締役を務める越尾正子さんがモデルと見られる女性・中尾星子(古川琴音/28)が、医師から余命宣告を受けたのぶから嵩の今後を託される、1988年(平成元年)が舞台のエピソードが放送された。

「第4回は星子の視点で描かれましたが、最後には、のぶが嵩との思い出を振り返り、のぶが微笑む姿がアップになり、特別編は終了しました。切なさもある良いラストと言えるのでしょうが、多くの視聴者が期待していた、のぶの妹・蘭子(河合)とキューリオ(モデルは『サンリオ』)社長・八木信之介(妻夫木聡/44)の恋の行方は描かれず……2人の名前が出てくることもありませんでしたね」(テレビ誌編集者)

 蘭子は、『あんぱん』の物語前半では家族同然の付き合いだったが戦死してしまった青年・原豪(細田佳央太/23)との悲恋、後半では八木との恋愛が描かれ、どちらも大きな話題を集めた。

 物語後半、蘭子は自分に近い価値観を持ち、同じように戦争で愛する人を失った八木と出会い、惹かれていく。雨の日、傘を渡そうとして手が触れ合うシーンなど、2人の多くの場面が《朝ドラじゃなくて昼ドラを見ている気分》と話題になった。

 そして最終回直前の9月25日放送回、八木は難民キャンプ取材のために海外へ行くことが決まっている蘭子に、指輪をプレゼント。八木が「帰ってきたら……考えてくれ」と伝えると、蘭子は力強く「はい」と返す。そして、スーツケースを引きながら、蘭子は八木のもとを去る――というシーンが描かれたが、26日の最終回では2人が登場することもなかった。