■中園ミホ氏が語っていた“脚本家の親心”
さらに、蘭子(河合)のモデルが脚本家、エッセイスト、小説家として活躍するも、1981年に海外取材先での飛行機事故で亡くなった向田邦子さんだと見られていることから、
《結局、蘭子は無事取材先から戻って、八木(妻夫木)のプロポーズを受けたのよね...?》
《蘭子が無事に帰ってきて八木さんと再会出来ますように》
といった“無事に幸せになった姿を見たい”という声は多く、「特別編」放送前には“時系列的に、最終夜で触れられることもあるのでは”と見る視聴者も少なくなかったのだ。
しかし、特別編でも蘭子と八木が結婚したかどうかなど、“その後”が描かれることはなかったため、
《スピンオフ4話みたけど、やっぱり、蘭子と八木のラブストーリーメインの話が見たかった》
《いつか、八木さんと蘭子さんのお話の続きが見られる日を待ち続けます!》
《蘭子ちゃんと八木さんメインで劇場版作ってくれてもいいよ》
《アンパンのスピンオフ蘭子と八木さんやってなくない?あれ??いちゃらぶ蘭子見れるんじゃなかったの??》
《蘭子と八木さんのカップル(夫婦)になった姿を観たい!写真だけでもいいから…》
《特別編のラストは嵩とのぶの切なくも穏やかな日々。とても良かった。しかし、八木さんとー!蘭子のー!スピンオフくーだーさーいー!!!!海外から帰国して結婚するやつくださいー!!!!!》
といった、残念がる声が多く寄せられている。
多くの視聴者に愛されている蘭子と八木――『あんぱん』の脚本を担当した中園ミホ氏も、2人には幸せになって欲しいようだ。8月22日にWEBサイト『モデルプレス』で配信されたインタビューで、中園氏はこう話している。
《蘭子と豪ちゃん(細田佳央太)を悲恋にしてしまったら、「なんで戦死させるんだ!」「まだ生きていて帰ってきてくれても良いから!」とすごく怒られたんです(笑)。それも2人の俳優さんの素晴らしい演技のおかげですが、なんとか蘭子を幸せにしてあげたいですね。八木さんは孤児たちを抱きしめたりして心優しい人ですが、孤独で。この人にも幸せになってほしいという脚本家の親心みたいなものがあります》
「脚本を担当した中園さんが“なんとか蘭子を幸せにしてあげたい”、八木に対しても“この人にも幸せになってほしいという脚本家の親心”と話していたことを考えても、やはり蘭子は飛行機事故に遭うようなことはなく、無事に帰国して、八木と幸せな結婚をしたのでは――と考えたいですよね。
これまで朝ドラでは、『ちゅらさん』(2001年前期)が07年まで4回も続編が制作されたり、『ひよっこ』(17年前期)の2年後を舞台とした続編『ひよっこ2』(19年3月放送)が放送されたりと、本編終了後、時間が経ってから新作が放送されることもあった。
今回の『あんぱん』の特別編はファンの声を受けて実現したものですが、ここまで人気があれば、今後、蘭子と八木が主人公のスピンオフが描かれる可能性は十分にあるのではないでしょうか」(前出のテレビ誌編集者)
全4回の特別編が終了し、いよいよ完結した感じの『あんぱん』。あえて視聴者に解釈をゆだねる形にしたのかもしれないが、やはり蘭子と八木の幸せな姿を見たい人は多いようだ。