■『ESCAPE』予想外の健闘なるか
さらに、今回は裏番組が強力な『水曜のダウンタウン』(TBS系)に加え、三谷幸喜氏が25年ぶりに民放GP連ドラの脚本を手掛け、菅田将暉(32)、神木隆之介(32)、浜辺美波(25)など、豪華なキャストを揃えて話題の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)もあり、どう見ても惨敗確定だ。
唯一、健闘できる要素があるとしたらYouTubeとの連動だ。加藤千尋と高塚大夢は、たまたま誘拐事件に居合わせ、誘拐事件を追っていく配信者なのだが、実際に2人はYouTubeチャンネルを開設しており、そこで考察のヒントも出していくのだろう。今期はミステリーものは、本作と『良いこと悪いこと』(日本テレビ系、土曜日よる9時)ぐらい。考察が盛り上がれば、一矢報いることができるかもしれない。
日本テレビの水曜ドラマは、24年4月期に中断されるまで、『ハケンの品格』、『家売るオンナ』、『ホタルノヒカリ』などが、シリーズ化されるほどの人気になり、20年代に入っても『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』など、多くのヒット作が出ていた。今度こそ、伝統枠の意地を見せられるだろうか。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。