阪神タイガースのレジェンド、“ナニワの春団治”こと川藤幸三が猛虎愛を語り尽くす熱血コラム。OB目線の激励から時には喝も……熱き魂が炸裂する!
ワシのペナント予想は半分当たって、半分外れたちゅうところかな。
まず、タイガースの優勝は信じとった。投手陣、野手陣とも円熟期を迎えつつある選手がそろってて、戦力バランスとしては申し分ない。向こう何年か優勝を争えるだけの力がある。そんなことはワシでなくても、ほとんどの野球解説者が考えることやろう。
ただ、今季は藤川球児も監督就任1年目や。球児の目指す野球がチームに浸透するには、それなりの時間がかかる。しかも、どんなに実績のある選手も開幕して、すぐ調子が出るわけやない。徐々に調子を上げていくタイプも多い。
だから、夏場までは上位3チームか4チームで競う展開になる。そして、オールスター戦明けから、タイガースが抜け出すやろうと読んでたわけや。それを可能とするだけのピッチングスタッフの厚みもある。髙橋遥人のような故障明けの選手も帰ってくるしな。
ところが、5月17日に首位に立つと、そのまま独走。2位以下のチームとは、どんどんゲーム差が開いた。そして、プロ野球史上最速というオマケ付きで、リーグ優勝を決めてしまった。
つくづく強いチームになったと思うな。