日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。10月18日は富士ステークスでマジックサンズと、19日には秋華賞でエリカエクスプレスに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
皆さん、こんにちは。10月12日にスタートする日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)の第1話に、ジョッキーの武豊役で出演する、武豊です(笑)。
2005年に、競走馬との出会いをきっかけに牧場経営を目指すというNHK朝の連続テレビ小説『ファイト』にも、武豊役で出演。もうドラマには出ないつもりでしたが、08年には、『ごくせん』(日本テレビ系)、11年には、『科捜研の女』(テレビ朝日系)、21年には、NHKドラマ『風の向こうに駆け抜けろ』に出演し、そのたびに、画面に映る自分を見てオファーを受けたことを後悔してきました(笑)。
自分でも、そう思ったくらいですから、二度とドラマ出演のオファーは来ないだろうと思っていたので、お話をいただいたときは驚き、戸惑いもしました。
それなのに、なぜ? という声が聞こえてきそうですが、舞台が競馬の世界で、そこで夢を追いかける大人たちの物語を描いたドラマだと伺ったら、否も応もありません。“これが最後だから”と自分に言い訳をしながら、謹んでオファーをお受けしました(笑)。
人間と競走馬の20年にわたる絆と奇跡の物語で、主役を務めるのは、妻夫木聡さん。他にも、佐藤浩市さん、目黒蓮さん、松本若菜さん、沢村一樹さん、黒木瞳さん、小泉孝太郎さんといった豪華メンバーが勢ぞろい。第1話には、僕以外にも、丸田恭介騎手、菅原隆一騎手、今村聖奈騎手も出演しています。
どれだけたくさんの方が競馬の世界に関わってくださり、そこには、どんなドラマがあるのか。競馬ファンはもちろん、そうじゃない人という人にもぜひ、見ていただけたらと思います。