■悲願のGⅠ勝利! 涙する後輩に刺激

 それでは騎乗馬についてです。『ザ・ロイヤルファミリー』第1話放送日となる10月12日、僕はエピファネイア産駒で、弟・幸四郎厩舎のエストレヤデベレンとコンビを組んで、東京競馬に参戦する予定です。

 勝って、気持ちよくドラマを楽しみ、翌13日は、盛岡に移動。キズナ産駒のサンライズジパングとともに、交流重賞JpnⅠ・南部杯に挑みます。

 10月18日は、キズナ産駒のマジックサンズと、GⅡ富士ステークスに。19日は、桜花賞5着馬のエリカエクスプレスとのタッグで、GⅠ秋華賞です。

 7番人気ジューンブレアと臨んだスプリンターズSは、7枠13番からハナを奪い、最後はウインカーネリアンとの一騎打ち。最後はアタマ差の2着に敗れましたが、狙っていたレースはできたし、馬も全力で走ってくれました。

 勝利ジョッキーは、デビュー18年目、127回目の挑戦で初の勲章を手にした三浦皇成騎手です。

 スタンドから湧き上がる“コーセイ・コール”を聞きながら、大粒の涙を流すその姿に、絶対に諦めないことの大切さを教えてもらいました。皇成、長かったな。おめでとう!(2025年10月6日寄稿)

武豊(たけ・ゆたか)
1969年3月15日、京都府京都市生まれ。1987年3月1日にJRA騎手デビュー。翌1988年、スーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。以後、オグリキャップ・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・ディープインパクト・キズナ・キタサンブラック・ドウデュースなど歴代名馬の手綱を取り、国内外GⅠ通算100勝超を達成した“レジェンドジョッキー”である。2018年9月には史上初のJRA通算4000勝、2024年度JRA賞特別賞と黄綬褒章を受章、2025年8月5日には前人未到の4600勝を達成した。現在もトップクラスで騎乗を続ける “競馬界の第一人者”兼“最多記録更新請負人”。