■気になる議論について日本相撲協会を直撃すると…

 果たして、総理といえども女人禁制なのか、そうではなくこれまでの伝統をあらためるのか――。日本相撲協会の広報に問い合わせたところ、広報担当者が対応してくれた。

「その件は、別の社からも問い合わせがあったのですが、今のところ特には……。まだ自民党の総裁になったというだけで総理大臣に決まったわけではないので、ちょっとまだ現状では、何もお答えするような状況ではないですね」(日本相撲協会広報担当者)

 この回答を受け、総理に選出された際にあらためて質問したい旨を伝えると……。

「実際にそうなった時にどういうご回答をするか分かりませんが、現状ではまだそういう立場ではありませんので。総理になってから、なる前とかではなく、現時点ではなっていないわけです。だからといって、なったからそれについて説明するとか、そういうわけではありません」

 現時点では決まっていなくとも、高市氏の総理就任を見越した議論をすることはできるはず。今のうちに対応の協議などはしないのかについて尋ねたところ、

「いえ、とにかく今のところは何も分かりません。これからなのかどうかも含めて、今のところは全く何も分かりません」

 ということだった。どうやら、まだ議論の土俵にも上がっていないというところか。大相撲の女人禁制を巡っては、2018年4月4日の地方巡業で大きな騒動があった。

「当時の舞鶴市長・多々見良三氏(75)が挨拶中に倒れた際、駆けつけた看護師に対し、行司が場内放送で“女性は土俵から降りてください”などとアナウンス。映像が拡散されたところ批判が噴出し、日本相撲協会・八角信芳理事長(62)は同月末、協会公式サイトに《会員一同、改めてまいります》などとつづった謝罪文を掲載しました。

 一方で、同文書では女人禁制について、《土俵は男が必死に戦う場であるという約束ごとは力士たちにとっては当たり前のことになっており、その結果として、土俵は男だけの世界であり、女性が土俵に上がることはないという慣わしが受け継がれてきたように思います》《大相撲は、女性を土俵に上げないことを伝統としてきましたが、緊急時、非常時は例外です。人の命にかかわる状況は例外中の例外です》などと解説も行なわれていました」(スポーツ紙記者)

 果たして、サンクチュアリが開かれる日は来るのか。